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東家本店が大通仮店舗へお引越し サポーターと一緒に「お椀運びの儀」

わんこそば椀を手に本店を出発したサポーターたち

わんこそば椀を手に本店を出発したサポーターたち

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 老舗そば店「東家」が5月28日、「引っ越しサポーター」と共に本店(盛岡市中ノ橋1)の改装に伴う大通の仮店舗への引っ越し作業を行った。

中ノ橋を渡るサポーターの皆さん。お椀を落とさないように慎重な歩き

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 今回の本店改装は、コロナ対策の事業再構築補助金を利用し、感染症対策を講じた店舗にするためのもの。経年劣化の影響もあるという。社長の馬場暁彦さんは「この先10年、20年と店を続けていくための改装だ」と話す。

 本店は5月9日から改装工事のため休業。工事終了まで大通の仮店舗で営業する。本店の移転は1907(明治40)年の創業以来初めて。引っ越しに際し、本店から「わんこそば椀(わん)」を手で運ぶこととなったが、約1万個のお椀を運ぶ人手が足りないため、引っ越しサポーターを募集していた。当初予定していた定員100人を上回り、200人近くの希望者がエントリーしたという。

 引っ越し作業当日は雨が降ったため、参加を断念するサポーターも多かったが、子どもから大人まで約120人が参加。わんこそば椀をお盆に乗せたり、手で持ったりして歩いて運ぶ「お椀運びの儀」を行った。サポーターは3つのグループに分かれ、「東家」ののぼり旗を先頭に本店を出発。愛染横丁を抜けて岩手銀行赤レンガ館前を通り、中の橋を渡って桜山神社方面へ。サンビル前の交差点を渡って大通を進み、仮店舗へと到着した。

 お椀を持って街を歩くサポーターたちの姿に、道行く人は足を止めて不思議そうに眺めたり、「がんばって」と応援したりする様子も見られた。雨水がお椀の中に入ってしまうと、サポーターからは「本当のわんこそばのお椀はこんな感じなのかも」という声も聞こえた。

 「お椀運びの儀」を終えたサポーターらへは、感謝の気持ちを込め営業前の仮店舗で「引っ越しそば」が振舞われた。SNSなどの告知を見て参加した鈴木茉利乃さんは「一生に一度のことだと思って参加を決めた。わんこそば用のお盆やお椀を持つこともあまりない機会。雨は残念だったが、みんなで同じ目的をもって街を行進するのが楽しかった」と話す。

 馬場さんは「楽しくにぎやかに移転を伝え、仮店舗を皆さんに紹介し、一緒に引っ越しそばを食べたいという思いから始まった企画。サポーターの皆さんが楽しんでくれたならそれで成功だと思っている。改装後の本店では新しいことにもチャレンジしながら、伝統を継承し続けていきたい」と意気込む。

 大通仮店舗は5月30日から営業開始。営業時間は11時30分~20時(感染症対策のため、閉店時間を変更する場合あり)。本店の改装工事は年内に終了予定。

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