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岩手県が独自の緊急事態宣言を発出 10万人あたり10人未満めざす

岩手県の公式LINEアカウント「岩手県-新型コロナ対策パーソナルサポート」で配信された画像

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 岩手県は8月12日、県内での新型コロナウイルス感染症の感染が急拡大していることを受け、県独自の緊急事態宣言を発表した。

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 県では、7月に入ってから県内で感染力が強いとされる変異株「デルタ株」が確認されたことや、国内での感染状況などを踏まえ、県民へ感染対策の再徹底を呼び掛ける「岩手警戒宣言」を同月9日に発令。直近1週間の県全体の人口10万人当たりの新規感染者数が15人を超える、もしくは超える恐れがある場合は県独自の緊急事態宣言を発出することも検討していた。

 8月11日には過去2番目に多い40人の新規感染者を確認。12日には直近1週間の県全体の人口10万人当たりの新規感染者数が15人を超えたことを受け、医療提供体制のひっ迫・崩壊を未然に防ぎ、新たな感染を強力に抑え込むため、独自の「岩手緊急事態宣言」を発令した。

 宣言の期間は8月12日から、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数が10人未満となるまで。対象区域は県全域。県民に対しては不要不急の外出自粛、都道府県をまたぐ不要不急の帰省や旅行などの原則中止・延期、基本的な感染対策の徹底、事業所に対してはテレワークやローテーション勤務、オンライン会議などによる人との接触低減、職場内での感染対策の徹底など、飲食店には業種別ガイドラインの徹底や「いわて飲食店安心認証」の取得など、学校には校外で行う活動についての見直しや適切な感染防止策の徹底、夏季休業中の部活動の原則休止、医療機関へは症状がある人への積極的な検査の実施を呼び掛ける。

 期間中は県の対策として、県主催イベントの原則中止や規模の見直し、県施設の休館や利用制限、医療提供体制の確保、事業者への支援強化を行う。

 県民を対象に県内での宿泊・日帰り旅行の費用などを割引する「いわて旅応援プロジェクト」については14日宿泊・出発までで終了。プロジェクトで配布する「いわて応援クーポン」は15日で利用を終了する。「認証を受けた飲食店で使えるプレミアム付き食事券を販売する「いわての食応援プロジェクト」は15日から販売を一時停止する。

 宣言の内容については、効果が出始める1週間後から2週間後の状況をもとに更なる行動制限の強化などの対策について検討する予定。昼夜を問わず不要不急の外出自粛を求めることから、現状では飲食店への営業時間短縮要請、イベントの中止要請などは行わない。一方で、宣言の直後から臨時休館を決める施設や、中止・延期を決定したイベントも多い。

 達増拓也県知事は「県内の感染者数は2週間で倍に増え、確保病床の使用率は45.4%になった。医療提供体制のひっ迫や崩壊を防ぐためにも、今、思い切った対策が必要。全国でも感染の勢いは止まらず、県内でもリスクが高まっている。宣言の中で皆さんへお願いしていることは決して難しいことではない。自分や大切な人を守るためにも、県民、そして来県者の協力を求める」と強く呼び掛けた。

 「岩手緊急事態宣言」の詳細や最新情報などは、県の公式ホームページやSNSなどで順次発信する。

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