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岩手をバリアフリーで優しいまちにー「ランプアップいわて」活動本格化

松嶺さんと「ランプアップいわて」のクルー

松嶺さんと「ランプアップいわて」のクルー

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 車いす利用者のために段差をなくすスロープ(ランプ)を製作し、飲食店や公共施設に設置するプロジェクトが盛岡で始まった。

東北レゲエ祭でのPR活動(関連写真)

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 この活動を推進するのは、岩手県内の車いす利用者が集まる市民団体「ランプアップいわて」。今年5月に立ち上がり、盛岡市内の店舗に携帯用スロープの設置を始めた。

 プロジェクトの発起人は、不慮の事故により四肢まひで電動車いす生活を送る松嶺貴幸さん。「米国留学で体験したバリアフリーの環境を岩手にも広めたい」と、この活動を始めた。

 「段差の多いまちは良くないと思っている。バリアーを感じるなら、開拓していいまちにしていこうというのがこのプロジェクトのコンセプト。相手に要求するばかりではなく、自分でスロープを作って少しでも街づくりを担うものにしたい」と話す。

 6月からは、松嶺さん本人が一軒ずつ飲食店を回り、市内の数店からスロープの設置許可を得た。今夏には、松嶺さんが自費で製作したスロープ10台を設置する予定だ。

 スロープには常設型と携帯型があり、車いす利用者だけではなく妊婦やベビーカー、高齢者にとっても便利な設備。製作はNPO法人「遠野まごころネット」(遠野市)を通じて、陸前高田の上長部地区にある製材所の職員らに依頼した。

 携帯用スロープは販売も行う。現在販売している型の価格は4,500円。今後も改良を進め、利用しやすいスロープを製作していくという。収益は同プロジェクトの活動資金に充てるほか、一部は震災復興のために寄付するという。これまでに3台を販売し、企業として初めて購入した「ミスタードーナツ」では、岩手県内店舗への携帯用スロープの設置を検討している。「障害がある方への利便性があれば広めていきたい」と同社担当者。

 同プロジェクトでは、車いす利用者で同活動を普及推進する「ライダー」と、それをサポートする「クルー」も常時募集している。松嶺さんは「ライダーには外に出てまちづくりの役割を担ってほしい。クルーには、街を歩いてどこにバリアーがあるのか気付いてほしい」と話す。

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