猫用グッズの開発・販売を行う「クロス・クローバー・ジャパン」(盛岡市菜園1)が2月22日、木製の猫用玩具「たのしんぼう+(プラス)」を発売する。
同社では2015(平成27)年に「たのしんぼう」を発売。さおの先端にひもと獲物を取り付けて猫と遊ぶ釣りざおタイプの猫じゃらしで、さおには剣道場で廃棄される竹刀、持ち手には木工加工の際に発生する端材を組み合わせた集成材、獲物は同社製品の製造過程で余った生地を使い、環境に配慮した製品として開発した。一方、猫が夢中で遊ぶうちにさおの先端の部品が外れやすくなる課題が見つかり、販売を中止していた。
同社社長の太野由佳子さんは「おもちゃでの遊びは楽しいけど、危険とも隣り合わせ。おもちゃとしての面白さが増すと、猫がけがするリスクも上がる。私たちも最悪の状況を考えて慎重に商品開発をしているが、猫は私たちの想像を常に超えてくる」と話す。
「今ならもっと安全な商品に改良できるのではないか」と考える中、日傘に付いているカバーから着想を得て、本体に安全カバーを付けることを思い付いた。カバーをかけることで部品が外れることを防ぎ、万が一さおの部分が折れた場合も猫がけがをするリスクを抑える。
カバーにも自社製品の余り生地を使う。カバーを止めるマジックテープは手で握る位置に配置し、カバーが外れにくい仕組みにした。ひもは猫の体に巻き付いても安全な太めの物で、爪が引っかかりにくい物を採用した。
猫が遊びすぎて傷んできたひもと獲物の部分は交換が可能。おもちゃの形が変わることで猫が警戒するストレスを軽減し、使い捨てではないおもちゃとしても開発した。安全性や環境への優しさをプラスしたことから、商品名を「たのしんぼう+」とした。
開発過程では「猫社員」として協力する太野さんの飼い猫がおもちゃの楽しさをチェックし、獲物にジャンプして飛び付く様子が見られた。飼い主として安全カバーの有効性も確認し、竹や集成材は軽くて持ちやすく、長時間遊んでも疲れにくいことも分かった。今後は獲物の種類を増やすことや、カバーを別売りすることも検討していくという。
「楽しいおもちゃでは楽しい思いだけしてほしい」と太野さん。「安全な物で遊んでほしいというのは全ての飼い主の願いだと思う。猫の運動不足解消や猫との触れ合いに役立てれば。今後も猫の目線で商品の改良と開発を続けていく」と話す。
価格は5,280円(カバー付き本体一式)。オンラインショップ「nekozukiストア」で取り扱う。現在、予約を受け付けている。