盛岡の観光名所「石割桜」をイメージした土産品「もりおか石割桜クッキー」が11月21日、仙台産業振興事業団が主催する「第11回新東北みやげコンテスト2024」でデザイン特別賞を受賞した。
同コンテストはバイヤーや消費者に向けた商品PRと販路開拓の支援を目的にしたもの。今年は267商品の応募があり、52商品が入賞。その中から、最優秀賞1商品、優秀賞4商品、インバウンド・ベストユース・デザイン・地域性・アイデアの各特別賞が1商品ずつ選出された。
「もりおか石割桜クッキー」は、盛岡の土産品の統一ブランド「もりおかおみやげプロジェクト『MOYANE(モヤーネ)』」の第2弾商品として2023年に発売。同ブランドは地域商社「manorda(マノルダ)いわて」と岩手県内のデザイナー・クリエーターが参加する団体「岩手アートディレクターズクラブ(岩手ADC)」が2021年に共同で立ち上げ、「もりおかやっぱりいいよね」を合言葉に既存商品のリブランディングや新商品の開発を行ってきた。
商品を作る過程では、1事業者に対して担当デザイナーが付き、店の歴史や盛岡の名所、伝えたい世界観などを商品とデザインに落とし込んでいる。「もりおか石割桜クッキー」は、石割桜のはかない美しさをほろほろ崩れる食感のクッキーで表現。パッケージには石割桜のイラストのほか、石割桜の情報、街歩きマップを掲載している。
今回のコンテストにはプロジェクト第2弾として発売した5商品全てを出品。「もりおか石割桜クッキー」のみが1次の書類審査を通過し、展示会形式の2次審査に進んだ。会場で立ち会った「manordaいわて」の内藤晶さんは「会場には魅力的な商品が多く、受賞が決まった瞬間は本当に驚いた」と振り返る。審査員からはデザイン面だけではなく味も評価を受け、「なぜモヤーネの5商品を一度に出品したのか。どれも良い商品で票が割れた」と声をかけられたという。
デザイン特別賞の受賞について、担当デザイナーも「何度も打ち合わせを重ね、調整をして頑張ったかいがあった」と喜び、クッキーの製造と販売を担う花月堂の担当者らも「発売してから好評の商品。受賞によってさらに売り場での認知度の向上につながる」と期待を寄せる。
「モヤーネ」の商品がデザイン特別賞を受賞するのは、2022年に出品した「ぶどう飴(あめ)」に続いて2度目。「デザインの力を取り入れたブランドが、デザイン関連の賞を受賞するのは自信につながる」と内藤さん。「デザイナーと事業者の皆さんの考えが評価された、花開いた結果。ブランドプロジェクト全体として正しい道を歩んできたんだと実感している」と笑顔を見せる。
商品はパルクアベニュー・カワトク、らら・いわて盛岡店、盛岡駅内などで販売している。