共同宣言の様子(令和6年12月23日)
一関工業高等専門学校(岩手県一関市 校長:小林 淳哉 以下「一関高専」)は、令和6年12月23日(月)に、一関市とのスタートアップ共同宣言を行いました。
この共同宣言は、一ノ関駅東口イノベーション構想検討委員会報告書で掲げられた「いちのせき型エコシステム」形成に関連したものであり、一関市の将来を力強く切り拓き、未来を託せる人財を持続的に育てる仕組みの構築を目指すことを目的としています。共同宣言の内容は下記のとおりです。
一関高専および一関市は共同して起業支援に取り組むことにより、一関高専から今後5年で5社のスタートアップ企業が生まれるよう支援し、これらの企業が一関を拠点として地域の企業と連携をとり、地域を発展させます。
※一関高専を卒業し、大学・大学院への編入学を経て、より高度な研究力を身につけ起業する場合なども含む
また、具体的な取り組みの方向性についても、下記のとおり示されました。
(1)一関高専と一関市は、以下の事項を共同で進める。
- スタートアップ人財の育成
- 一関高専の在校生・卒業生から生まれたスタートアップ企業がいちのせき型エコシステムを形成するための支援
- スタートアップ企業の技術的ギャップを埋めるための研究シーズによる一関高専と企業との連携
(2)一関高専は、学生が「知識をもとに深く探究できる」ように、地域の産業界、一関市、地域の関係機関と連携した「アントレプレナーシップ教育」を授業や学生の活動を通して進め、在学中のスタートアップ企業設立を促進する。また、特別な授業以外のすべての授業も知識のインプットとアウトプットに終始するのではなく、生成AIも駆使して「探究型」に改革していく。
(3)一関高専は、「国立高専でのスタートアップは一関高専」を打ち出した入試広報を実施し、全国での知名度の向上により広く学生を募集する。
(4)一関市は、金融機関と連携し、金銭的支援に向けたマッチングや経営ノウハウの確立支援(法律面も含む)に取り組み、学生起業家が「スタート・リスタートができる地域」を目指す。
(5)一関高専と一関市は、スタートアップ企業が持つ技術(シーズ)と地域で新たな技術を実装したい企業(ニーズ)とのマッチング機能の構築を進める。
なお、これらに伴う具体的な事業については、一関市における地方創生の推進に係る包括連携協定(一関高専、一関商工会議所、一関信用金庫、一関市の4者での協定)に基づいて、各機関が連携し実施していくこととされています。
共同宣言の様子(令和6年12月23日)
◆一ノ関駅東口イノベーション構想検討委員会について
平成31年3月に一ノ関駅東口のNECプラットフォームズ(株)一関事業所が閉鎖され、以後その跡地の利用が課題となっていました。令和4年度に一ノ関駅東口工場跡地利活用構想案が策定されて、一ノ関駅東口工場跡地に「イノベーション創出」、「賑わい創出」、「公共サービス」の3つの機能を配置する活用イメージが示され、この案に基づく取組を具体化するために、一ノ関駅東口イノベーション構想検討委員会が設置されました。令和6年12月に一ノ関駅東口イノベーション構想検討委員会は、下記提案を含む報告書を発表しました。
- 優先事業の提案‥「加速器・測定器技術」、「IT・AI・ロボット技術」、「カルチャー産業」
- 人材育成に係る取組の提案‥「産学官が連携した共同人財育成」、「スタートアップの養成」、「イノベーションを加速させる場の創出」
◆一関工業高等専門学校について
一関工業高等専門学校は1学科4系からなる本科と1専攻からなる専攻科を備えた工業高等専門学校で、岩手県南部の一関市に1964年に創設されました。「明日を拓く創造性豊かな実践的技術者の育成」を教育理念とし、地域とともに歩む信頼される学校を目指しています。
【学校概要】
学校名:独立行政法人国立高等専門学校機構 一関工業高等専門 学校所在地:岩手県一関市萩荘字高梨 校長:小林 淳哉
設立:1964年4月
URL:https://www.ichinoseki.ac.jp/
事業内容:高等専門学校・高等教育機関
一関高専外観