盛岡市内のフリースクールと、利用する子どもたちの親、関係者などが5月22日、フリースクール等支援補助制度の創出を求める要望書を盛岡市に提出した。
要望書は、盛岡と近隣地域のフリースクール関係7団体と、フリースクール親の会が連名で提出した。要望事項は、「利用家庭への経済支援制度の創設」「フリースクール等の運営への支援」「持続可能な財源体制の整備」「当事者の声を生かした制度の継続的な充実」の4つ。不登校児童・生徒の保護者を対象にした利用料の補助制度や、フリースクール等の運営費を一部補助する制度の創設、フリースクールに通えていない児童・生徒を含めた当事者の声を生かすために関係部門や関係者、保護者、子どもが定期的に意見を交わす場づくりなどを求めた。
当日は事務局を務める「盛岡ユースセンター」のセンター長・尾形岳彦さんのほか、フリースクール関係者、保護者らが盛岡市役所を訪れ、要望書を提出した。尾形さんは、盛岡市内を含め全国的に児童・生徒の数が増えている現状や、フリースクールと利用家庭が抱える課題を説明。近年の物価高騰はフリースクールを運営する上で大きな打撃となり、家賃や人件費、光熱費を自己調達し、公的な支援なしに運営を続ける民間施設は存続の危機に直面している。
尾形さんは「子どもの学びと福祉は一体の権利。子どもたちが安心して学べる場所を守り、多様な学びの場を充実させていくには公的な支援が必要。教育的支援と福祉的支援の両面から、子どもの権利を保障する体制づくりに取り組んでほしい」と話す。
フリースクール親の会のメンバーは、利用家庭の負担も大きいことを説明。利用費は月数万円に上る一方、子どもの送迎やサポートのために仕事量を減らす保護者や、休職・離職を選ばざるを得ない保護者がいる。収入が減少し、フリースクールの利用費が家計を圧迫するケースもあるという。
同会共同代表の梅宮祥子さんは「子どもがフリースクールに通いたくても、経済的に通わせられない家庭もある。フリースクールは親子にとって希望であり、安心できる安全な居場所。存続のためにも公的な支援をお願いしたい」と求めた。同席したメンバーも「不登校は特別なことではなく、どの家庭でも起こり得ること。子ども自身が生き生きとできる、多様な学びの場が必要だ」と伝えた。
長野県や東京都、仙台市などフリースクール等の民間施設と利用家庭に対する支援制度を導入する自治体は増えている。要望書を受け取った内舘茂市長は「この要望は重く受け止めている。不登校児童・生徒への支援は市としての課題の一つ。全国各地の例を調べながら、支援の在り方を考えていく」と応えた。