NPO法人「盛岡まち並み塾」が1月末、盛岡市鉈屋町周辺の魅力や散策ルートなどを紹介するガイドマップに連動する音声コンテンツを公開した。
同法人では2023年度から、市と市民活動団体などが協働して街づくり活動などに取り組む「盛岡市市民協働推進事業」の一環として、「地域住民の視点を用いた回遊ルートデザインによるまちの魅力増進・発信事業」に取り組んでいる。同事業では地域住民へのインタビューや地域の小学生と協力したグループワークを通じ、散策モデルルートの設定とガイドマップの作成、インタビューの内容を活用したパネル展での情報発信を行っている。
2024年度はガイドマップの内容を刷新するとともに、聴覚を通じて地域の臨場感を伝える音声コンテンツを追加。昨年秋には地域内で普段から聞こえる音を紹介する「まちの音風景」を動画配信サイト「ユーチューブ」で公開している。「盛岡まち並み塾」事務局の岩見麻梨子さんは「ガイドマップの紙面だけでは街の空気感がなかなか伝わらない。住民の皆さんに話を聞く中で音に魅力を感じる人が多くいたことが、音声コンテンツを加えるヒントになった」と話す。
ガイドマップと連動するコンテンツとして、鉈屋町周辺の特徴や町名の由来、散策モデルルートの主要名所を「まちの案内人」が紹介する音声ガイドを制作。鉈屋町で生まれ育ち、盛岡弁の語り手としても活動する花田陽子さんが案内人を務め、上級編・中級編・初級編の3つのルートに合わせたプレーリストを用意した。
これまでパネル展やガイドマップ内の文章で紹介してきた地域住民へのインタビューも音声コンテンツとして公開。地域に昔から住む人や商売をする人、伝統行事に関わる人など8人のインタビュー音源と大慈寺小学校6年生による校歌の合唱を「人からひもとくまちの魅力のルーツ」と題したプレーリストで公開している。
音声コンテンツの収録と編集、インタビューの聞き手は、鉈屋町を拠点に活動する学生と社会人のグループ「もりおかワカものプロジェクト」が担当。「子どもから高齢者、住む人から働く人まで、多世代・多属性の人が関わって街の魅力を発信してくれた」と岩見さん。「鉈屋町かいわいの魅力の一つは地域に関わる人々。この地域で暮らす人の熱が声を通じて届けばいいなと思う。鉈屋町周辺を散策する時はもちろんだが、訪れる前の予習、訪れた後の復習にも活用して」と呼びかける。
ガイドマップは「大慈清水御休み処(どころ)」などで配布するほか、ウェブサイトからダウンロードできる。各種音声コンテンツのプレーリストはウェブサイトとガイドマップの二次元コードからアクセスできる。