見る・遊ぶ

盛久ギャラリーで「三浦千波展」 「また笑顔で描いて」と願い込め

「千波さんらしい色使いや風景の切り取り方も楽しんでほしい」と一條さん

「千波さんらしい色使いや風景の切り取り方も楽しんでほしい」と一條さん

  • 2

  •  

 がんで闘病中の画家・三浦千波さんの作品を集めた展示会「三浦千波-願いと祈り-」が1月28日、盛久ギャラリー(盛岡市中央通1)で始まった。

[広告]

 三浦さんは大船渡市出身で、現在は川崎市在住。昨年秋にステージ4のすい臓がんであることが分かり、闘病を続けている。展示会は三浦さんを支援しようと、同級生らによる「画家・三浦千波を応援する会」が中心になって企画。「また笑顔で描いて」という願いを込め、三浦さんに代わって展示作品を販売。売り上げは全て三浦さんの治療費に充てられる。

 同会の代表を務めるのは岩手大学特設美術科の同級生で画家の一條喜久子さん。「千波さんの病気が分かった時、私たちにできることは何かと考え、やはり絵だろう、千波さんの絵を見てほしい、展覧会を開きたいと思った」と話す。

 会場は三浦さんが個展やグループ展を行ってきた「盛久ギャラリー」を選んだ。同ギャラリーが2007(平成19)年に開業し、最初に個展を開いたのが三浦さんだった。同ギャラリーの及川佳子さんは「三浦さんの作品を展示しない年はなかった。誰に対しても明るくて、いつも笑っている。好かれやすく、今回の展示会もみんなが自然と彼女を応援したいと思って始まった」と話す。

 展示会には三浦さんのアトリエにあった近作のほか、一條さんをはじめとする同級生が保管していた作品、盛久ギャラリーの所蔵作品、趣旨に賛同したファンから寄せられた作品など94点が集まった。作品は油彩や水彩で描かれた風景画が中心で、「みちのく風景」と題して岩手県内の風景を描いた作品や、三陸海岸を描いた作品も並ぶ。

 「千波さんと一緒にスケッチに行くと、私が素通りしてしまうような場所にすてきな景色を見出していた」と一條さん。「見たままの色を使うのではなく、千波さんが心で感じ取った色を使っているのも特徴的。見る人が想像を膨らませて楽しめる絵」と作品を見つめる。及川さんも「自然を見つめるまなざしが独特で温かい。見るたびに新しい発見がある」と話す。

 三浦さん自身も展示会の開催を喜び、初日から同級生や後輩、知人、ファンなどが足を運んでいるという。一條さんは「買い手が決まり、作品の点数は少し減っているが、千波さんの絵が一度にこんなにたくさん展示されるのは初めて。千波さんが題材にどう向き合って、どんな思いで描いたのかを想像しながら楽しんで」と呼びかける。

 開催時間は11時~18時。2月3日は休催。入場無料。2月9日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース