盛岡市の関係人口を考える「盛岡という星で」プロジェクトは5月30日、動画配信サイト「ユーチューブ」などを活用した定期ライブ配信「盛岡という星で BASE STATION LIVE」を開始した。
「盛岡という星で」は市が2018(平成30)年に立ち上げた、盛岡と継続的な関わりを持つ「関係人口」に重点を置いたプロジェクト。盛岡を一つの小さな丸い星に見立て、SNSを通じたフォトエッセーや情報発信、イベントの開催など多角的な取り組みを続けてきた。
今回のライブ配信は首都圏の盛岡出身者や盛岡に住む高校生などの若年層に向けた情報発信の一環。配信に関わるスタッフも10代から30代が中心で、映像やデザインを専門的に学んだ学生もボランティアで参加している。
プロジェクトにクリエーティブディレクターとして関わる清水真介さんは「デザインや映像、音、開発といった分野を学んでも、そのスキルを生かせる場所が岩手には少ない。若者がスキルを発揮できる場を作り、活躍しているところを見せることも重要」と話す。
配信を行う場所は市が設置した交流拠点「盛岡という星で BASE STATION」。関係人口の創出や移住・定住促進を目的に、「パルクアベニューカワトク 別館Cube-II」の地下1階に開設し、7月の開所を前に5月から試験運用が始まっている。
初回放送は「ベータ版」と題し、プロジェクトメンバーらが出演し、事前に撮影した動画コンテンツとオープニング・エンディング含めた21のコーナーで構成。各コーナーは5分から10分ほどの長さで、プロジェクトと交流拠点の紹介や観光案内、高校生による取り組みの紹介、市からのお知らせのほか、地図を作るワークショップや「盛岡さんさ踊り」をモチーフにしたゲームを作る妄想トークといったユニークな内容も盛り込み、2時間半にわたって「盛岡愛」を届けた。
視聴者からは「盛岡へ行きたい」「交流拠点に興味がある」というコメントが寄せられ、出演者たちがコメントに応えて交流した。配信中は荷台にカメラやパソコンなどの機材を載せて「BASE STATION」内を動きながら撮影。この方法には視聴者からも驚きの声が集まった。
配信は「ユーチューブ」のほか、「フェイスブック」のライブ配信機能を活用。配信後もアーカイブが残るため、いつでも動画を視聴できる。今後はコンテンツを増やし、番組の質を上げていくことも目標。「これを見れば盛岡の今が分かる内容」を目指す。配信は月1回のペースで行い、次回の配信は交流拠点の開所に合わせて7月の初めを予定している。
「実はこれでも内容を削った方で、最初は4時間くらいの予定だった」と清水さん。「盛岡はたくさんのことが同時多発的に起こっていて、それが街の魅力。一つのコンテンツでは表現し切れない。短いコーナーを連ねて束で盛岡を感じてほしい。そして、配信を通じて盛岡に来たら会いたい人や会えるのではないかなと思える人、知っている顔を紹介したい。それがいずれ移住や定住のきっかけになれば」と話す。