盛岡経済新聞がウェブサイト上で行ってきた投票企画「VOTE」(ボート)で、「盛岡冷麺」に関する投票数が2,000件を超えた。
これは当サイトが3月31日~10月31日の約7カ月間、盛岡で「市民食」といわれる盛岡冷麺の人気店を調べるために盛岡市内と近郊の10店を対象に行ったもの。
夏の食べ物とされる盛岡冷麺のため、投票開始の直後はまだ寒い時期なことから、読者の関心が薄く投票数は伸びなかったものの、ゴールデンウィークに入り急上昇。開けには投票数が500を超えた。
7月後半から8月中旬の夏期休暇の時期に入るとさらに数字は伸び、投票数は一気に1,700を超えた。その後、伸びは鈍化し9月~10月の2カ月間で投票数300を得るに留まった。
編集部で各店が得た投票数の推移を分析したところ、ゴールデンウィークまではこの春に東京銀座に進出した「ぴょんぴょん舎」(盛岡市稲荷町ほか)が一時、投票数全体の70%を超える圧倒的なリードを見せた。その後、夏期に入ると盛岡冷麺発祥店の「食道園」(大通1)と盛岡駅前の人気店「盛楼閣」(盛岡駅前通)が得票数を伸ばし、一時は両者が拮抗(きっこう)する場面も見られた。
最終的な得票数と獲得票率は1位=「盛楼閣」489票(24.33%)、2位=「食道園」389票(19,35%)、3位=「ひげ」(繋字尾入野)279票(13.88%)、4位=「もりしげ(東仙北1)」229票(11.39%)、5位=「三千里」(大通3ほか)215票(10.7%)、以下「ぴょんぴょん舎」、「焼き肉冷麺ヤマト」(稲荷町ほか)、「明月館」(上田1ほか)、「やまなか家」(雫石町板橋ほか)、「大同苑」(菜園2)と続いた(ヤマトと明月館は同数)。
この結果から編集部では、テレビや雑誌など全国メディアへの露出が多い「ぴょんぴょん舎」が県外、主に近隣県からの観光客が増えるゴールデンウィークに集客を伸ばすなどしたことから、比例して県外の読者から票を得たと分析。その後、消費が伸びる夏期に入ると、盛岡市民がそれぞれひいきにする店に1度は足を運ぶなどしたことから「食道園」や「盛楼閣」、「三千里」など古参店が票を伸ばした。また同じ時期、お盆休みで帰省した「元盛岡市民」が、慣れ親しんだ味を求めてこれら古参店を訪れたと見られる。
同時にこの結果から、ワンコインや半額セールなどのキャンペーンを仕掛ける店やテレビCMなど広告の出稿量の多い店が、必ずしも高い支持を得ているわけではないこともうかがわせる結果となった。