
盛岡市内中心部で「さんさ踊り」を一年通じて披露する「街なかさんさ踊り2025」が4月20日に始まった。
同事業は2022年に始まり、今年で4年目を迎える。新型コロナ禍の影響を受け、市内各地で受け継がれている「伝統さんさ踊り」を踊る団体が踊りを披露する機会が減り、市内中心部の商店街の客足も減少していることから、商店街に団体を派遣することで踊りを披露する場づくりと商店街の盛り上げにつなげようと始まった。
現在は8月に行われる「盛岡さんさ踊り」のパレード以外にもさんさ踊りを楽しめる機会として、市民や観光客から好評を得ているという。主催する盛岡観光コンベンション協会の玉掛典子さんは「1年目は伝統さんさを見たことがないという人が多かったが、3年目は『この団体が好き』という人や、『この団体が出るから見に来た』という人が増えた。観客の皆さんに『推し団体』ができているように感じ、伝統さんさ踊りの奥深さを知ってもらえているのが何よりうれしい」と話す。
昨年までは不定期での開催だったが、今年は毎月第3日曜を「さんサンデー」の語呂合わせで「街なかさんさの日」とした定期開催と不定期開催を組み合わせ、来年の3月まで全55公演を予定している。定期開催の回を設けることで、観客が開催日に運びやすいイベントを目指す。
会場は複合施設「プラザおでって」前の「おでって広場」を中心に、周辺商店街やJR盛岡駅 滝の広場、プラザおでって内のホールなど。開催時間と会場、出演団体は盛岡観光コンベンション協会のウェブサイトに順次掲載する。
5月は、18日の「さんサンデー」と、大型連休に合わせた5日の特別公演のほか、10日と31日にも開催を予定。玉掛さんは「さんさ踊りといえば8月のイメージだが、8月以外にも街なかさんさで楽しんもらいたい。同じ踊りの種類でも団体によって振り付けが異なるのが伝統さんさ踊りの魅力。街なかさんさで伝統さんさ踊りに興味を持ってもらい、各団体の活動を応援する行動につながれば」と呼びかける。