盛岡市民が6月10日から、市民が調査員となって市内に生息する生物を調査する「もりおかいきもの調査」の夏版を行っている。
市では2023年度~2025年度の3年間で市内の自然環境を調査。市域の生物生息状況を調べて2027年度以降の自然環境保全計画に役立てる。その一環として、市民が対象となる生物を見かけた場所や時間などを報告する「もりおかいきもの調査」を4月に開始。市民から集まった情報は保全計画を立てるための資料として活用する。
調査を担当する市環境企画課の稲葉千晶さんは「春の調査では多くの地域から情報が集まり、生き物の生息状況が把握できた。盛岡は広く、皆さんの情報はわれわれが調査を行う時の目星になる」と話す。
夏版の調査対象はカッコウ、ウシガエル、カジカガエル、アメリカザリガニ、アカミミガメ、カブトムシ、ホタル(ゲンジボタル・ヘイケボタル・ヒメボタル)の7種類。水辺の生き物をテーマに子どもたちが興味を持ちやすく、夏休み中に探して楽しんでもらえる生き物を選んだ。
今回の調査対象には生態系被害防止外来種に指定されている生物も含まれている。「盛岡にどれくらい外来種が侵入しているか、増えているかが分かると、生き物たちが暮らす環境が良いか悪いかを判断できる」と稲葉さん。外来種の情報は、駆除が必要になった場合に計画を立てる資料にも使われるという。
調査は生物を見つけた場所や日時を記録し、市環境部ウェブサイト「ecoもりおか」内の専用フォームから生物の名前、見つけた日付、場所、見つけた時の状況や環境といった情報を投稿する。写真を撮影できた場合には3枚まで添付もできる。チラシやウェブサイトには対象の生物の特徴や生息している場所などを記載している。
集まった投稿を基に「いきものマップ」を作成し、「ecoもりおか」で調査結果として公開する予定。稲葉さんは「市民の皆さんに自然と触れ合ってほしいという思いもあって企画したので、まずは楽しみながら生き物を探してもらいたい。そして市が行う調査に協力してもらえれば」と呼びかける。
調査は8月31日まで。