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岩手県立大学で学生向けの物資支援 学生を気にかける大人の存在を知らせて

「特別フードパントリー」で配布する物資の一例(提供=みんなのまなびば ぐるぐるの森)

「特別フードパントリー」で配布する物資の一例(提供=みんなのまなびば ぐるぐるの森)

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 フリースクールなど子ども支援事業を展開する「みんなのまなびば ぐるぐるの森」(盛岡市上堂1)と、岩手県立大学、同大学盛岡短期大学部、盛岡ターミナルビルが協力し、同大学の学生を対象とした物資支援「特別フードパントリー」を11月15日に行う。

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 「みんなのまなびば ぐるぐるの森」では、大学生までの子どもとその家族を対象に弁当や生活必需品を配布する「ぐるぐるの森 ごはんプロジェクト」に取り組んでいる。代表の山内まどかさんは、プロジェクトを手伝う大学生たちから生活状況や暮らしの悩みを聞き、食べるものや生活費に困っている学生の存在を知っていた。

 「親の目線として『ちゃんと食べているかな、大丈夫かな』という心配な気持ちでいる」と山内さん。「話を聞いていくと、学費のためのアルバイトが忙しくて学業に専念できない学生や、住んでいる場所の周りにアルバイトできる場所や買い物をする店がない学生、日本での暮らしが大変な留学生など、さまざまな事情で困っている学生は多い。物資支援で少しでも力になりたいという考えをずっと持ち続けていたが、実現は難しかった」と話す。

 今回は、岩手県立大学の学生と共に地域課題解決の解決などに取り組んできた「盛岡ターミナルビル」の協力の下、同大学の学生を対象に全2回の無料の物資支援を計画。ぐるぐるの森が物資を用意し、盛岡ターミナルビルが運営する移動販売「よつばマルシェ」が運搬する。配布する物資セットはレトルト食品や菓子、乾麺、缶詰など、食料品を中心に「大学生が生活で必要なもの、欲しいと思うもの」を詰め合わせた。

 10月25日に行った1回目は多くの学生が集まり、用意した50セット分がすぐになくなった。山内さんは「想像以上だった。反響の大きさに驚いている」と振り返る。物資を受け取った学生を対象としたアンケートには「本当に助かった」「生活費が足りないので支援がありがたい」といった声のほか、「物価や光熱費の高騰で生活に余裕がない」「バイトを増やそうか考えている」といった悩みも寄せられた。

 2回目終了後は未定だが、山内さんは他の大学での実施も含め、大学生に特化した取り組みを検討し、協力者も探している。「物資支援を知った学生からの『大学生のことを気にしている大人っているんだ』という言葉が忘れられない」と山内さん。「大人と子どもの間にいる大学生たちは『どうにか一人でやっていかなきゃ』と背負い込みがち。学生だけで頑張るのは限度がある。社会に出る手前だからこそ、大切にしてあげたい。学生たちを支える大人をもっともっと増やしたい」と意気込む。

 配布は岩手県立大学ソフトウェア情報学部B棟入り口で12時40分から行う。先着50セット。

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