買う

メトロポリタン盛岡が食品ロス削減の新たな取り組み 持って帰る、を選択肢に

今回の取り組みで活用する県オリジナルの持ち帰り容器「おあげんせバッグ」

今回の取り組みで活用する県オリジナルの持ち帰り容器「おあげんせバッグ」

  • 1

  •  

 メトロポリタン盛岡が現在、食品ロス削減の取り組みとして、宴会場のビュッフェ料理の利用客を対象に、食べ切れなかった料理を持ち帰る「mottECO(モッテコ)」を行っている。

[広告]

 「mottECO」は、「外食時の食べ残しを持ち帰る」という、環境省が推奨する食品ロス削減アクションの名称。同ホテルではこれまで、宴会時を食品ロス削減するため、最初の30分間と終了前の10分間は自分の席で食事を楽しむように呼びかける「3010(さんまるいちまる)運動」の推進や、料理の量や提供方法についての事前打ち合わせを行ってきた。利用客からは「食べ切れなかった料理を持ち帰れないか」という要望もあったが、食品衛生などの観点から断ってきたという。

 同ホテル総支配人室担当課長の上川原悟さんは「衛生上の理由もあるが、宴会で提供する料理はその場で一番おいしく食べてもらえるように調理していることが持ち帰りを断っている一番の理由。その一方で、料理を提供する私たちも利用客の皆さんも互いにもったいないという思いを抱えてきた。食品に携わる事業者の責任として、食品ロスは減らさなければならない」と話す。

 持ち帰りの取り組みを始めるきっかけの一つになったのが、岩手県オリジナルの持ち帰り「おあげんせバッグ」だった。県では2021年に策定した「岩手県食品ロス削減推進計画」の一環として、オリジナルデザインの持ち帰り容器を製作し、同ホテルも含め、食品ロス削減やごみ減量化などに取り組む協力店へ配布していた。

 「おあげんせバッグ」の配布を受け、調理担当スタッフや配膳担当スタッフと話し合いを重ね、食品が傷みやすい6月~9月は休止期間とし、宴会利用が増え始める10月の開始を決定。同ホテル初となる持ち帰りの取り組みが始まった。

 持ち帰りの取り組みについては事前の打ち合わせ時に利用客に情報提供し、要望があった場合にのみ準備を行う。宴会が終了するタイミングに合わせて容器を用意し、注意事項の説明を行った上で、利用客自身が容器に料理を詰める。持ち帰り可能な料理は75度以上に加熱したもので、生ものや傷みやすいものは不可。長時間の持ち運びはせず、帰宅後はすぐに食べるなどの注意を呼びかける。

 おあげんせバッグは数に限りがあるが、なくなり次第、環境に配慮した紙製の容器を使って継続していく。上川原さんは「利用客の皆さんと協力して進めていく取り組みだと考えている。この取り組みを通じて一緒に食品ロスの削減について情報発信してもらいたい」と呼びかける。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース