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盛岡で子ども支援の「ごはんプロジェクト」 大学生まで対象、地域で見守り

訪れた子どもたちへ弁当を手渡す学生たち(写真提供=ぐるぐるの森 ごはんプロジェクト)

訪れた子どもたちへ弁当を手渡す学生たち(写真提供=ぐるぐるの森 ごはんプロジェクト)

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 フリースクール「みんなのまなびば ぐるぐるの森」(盛岡市上堂1)が9月14日、大学生までの子どもとその家族を対象に弁当や生活必需品を配布する「ぐるぐるの森 ごはんプロジェクト」を始めた。

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 「みんなのまなびば ぐるぐるの森」代表の山内まどかさんは、市内にフリースクールが少ない状況を受け、8年ほど前からフリースクールを作りたいと準備を進め、昨年12月に開所。今年から本格的に活動をスタートしている。

 子どもたちが安心して通える場所作りを進める中で、山内さんは「何か理由があった方が来やすいのではないか」という思いが生まれたという。そこで、「子どもたちが行きたくなる場所」を作る一環として、「子ども食堂」を立ち上げることを決めた。

 子ども食堂は、一般的に低学年を対象にした取り組みが多いという。「居場所がないと悩んでいる大学生がいる」という話を聞いていた山内さんは、利用対象を「大学生までの子ども」と設定した。「親の目から見れば、大学生は子ども」と山内さん。「高校生や大学生は行政の支援からも子どもとしては外れてしまう世代。大学生の貧困問題や、親に頼れない事情、学生1人ではどうにもできない物事もある。社会に出る前の大切な時期を、何とか支えたい」と話す。

 子ども食堂は「木曜よるご飯会」という名称で立ち上げた。毎週木曜の18時から弁当を配布し、その場で食べることも持ち帰ることもできる形式にしている。水曜と木曜には生活必需品などを配布する「パントリー」も実施する。運営には周辺地域の大学生や地元企業が協力するほか、企業が協賛という形で弁当や物資の提供などを行っている。

 1回目に提供したメニューは「カツサンドとゆで卵」。初回ということで情報発信は少なめにしていたが、予想以上の反響があり、大学生からは「友達にも広めたい」という声もあった。今後は利用者からの要望や意見を聞きながら活動に生かしていくという。

 協賛や運営に企業が関わる背景には、長く継続するための体制や地域が一体となって見守る環境をつくりたいという思いがある。山内さんは「1人で寂しさを抱えたり、ご飯が食べられなくなったり、いろんな背景を抱えた子どもたちがいる。ちょっとした支援で子どもたちが過ごす環境は変えられる。地域の皆で子どもたちを見守ることができれば」と話す。

 「木曜よるご飯会」は18時~20時。パントリーは水曜=10時~14時、木曜=10時~20時。いずれも無料。「木曜よるご飯会」のみ事前予約が必要。問い合わせ等は電話(019-601-3990)などで受け付ける。最新の開催情報はSNSとウェブサイトで発信する。

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