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石川啄木記念館でアニメと小説の世界に迫る企画展 現実の啄木との共通点探る

企画展が行われている展示室の一角。アニメのイラストが来館者を迎える

企画展が行われている展示室の一角。アニメのイラストが来館者を迎える

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 石川啄木記念館(盛岡市渋民)で現在、第14回企画展「啄木鳥探偵處(きつつきたんていどころ)の世界」が行われている。

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 盛岡出身の歌人・石川啄木と、啄木と交流があった言語学者・金田一京助が主人公のアニメ「啄木鳥探偵處」にちなんで企画された同展。同作が放映された昨年に開催する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて延期となっていた。1年越しに実現した企画展に、来館したファンからも「楽しみにしていた」という声が寄せられている。

 「啄木鳥探偵處」は伊井圭さんによる同タイトルの推理小説が原作で、啄木が探偵役、京助が助手役となりさまざまな事件を解決していく物語。今回の展示ではアニメと小説の2つの世界をテーマに、アニメの名場面や小説の内容に触れながら、リアルな石川啄木との共通点についても紹介していく。

 展示は4章構成。第1章「アニメのせかい」では、アニメに登場した啄木と関連するアイテムを展示。啄木が身に着けていたインバネスコートやローマ字の日記、たばこの箱などについて、アニメのシーンと併せて解説する。第2章は「アニメと小説の舞台」と題し、作品の舞台となった東京・浅草周辺などを使って紹介。明治大正の浅草を代表する建築物「凌雲閣(りょううんかく)」や、啄木と京助が暮らした「蓋平館(がいへいかん)別荘」2人が訪れた「盛岡城跡」などを取り上げる。この2章はアニメの場面を抜き出したパネルを多く使い、視覚的に楽しめるように工夫した。

 第3章は「小説のせかい」。原作小説や原作者の伊井さんが所蔵していた資料のほか、伊井さんが渋民を訪れた際の写真も展示されている。第4章の「リアル石川啄木」は、アニメや小説で描かれた啄木と実際の啄木の共通点を紹介。アニメで啄木が「死んだらあなたを守ります」と京助に伝えるシーンがあるが、実際の啄木の日記にも京助に対して似たようなことを伝えたという記述が残っている。このほか、啄木がどこの誰にお金を借りたか記した「借金メモ」にも金田一という名前が書いてあるのが分かる。

 アニメには啄木と京助以外にも岩手にゆかりがある文士・野村胡堂が登場。県内・市内の記念館などは連携して盛り上げを図っている。同館と盛岡市先人記念館、盛岡てがみ館、紫波町の野村胡堂・あらえびす記念館をめぐるスタンプラリーのほか、4館の学芸員らによるトークイベントも7月11日に開催を予定している。

 同館の担当学芸員は「当時の啄木のエピソードもふんだんに盛り込まれている作品で、資料から分かる啄木の性格と重ねてみると『本当にこんなキャラクターだったのでは?』と思えるくらい。例えば、アニメ中に一瞬出てくる啄木の歌の文字も啄木の字を参考に作画されている。それほどこだわって作られているので、アニメと小説、そしてリアルな啄木についても知ってほしい」と話す。

 開館時間は9時~17時(最終入場16時30分)。入館料は一般=300円、高校生=200円、小中学生=100円。9月12日まで。

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