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盛岡の「巴染工」がニューヨークで作品展 

さまざまな染め物が並ぶ会場の様子(Photo by Max Flatow)

さまざまな染め物が並ぶ会場の様子(Photo by Max Flatow)

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 アメリカ・ニューヨークにある日本文化を広めるギャラリー「RESOBOX(レゾボックス)」で現在、盛岡の老舗染物店「巴(ともえ)染工」(盛岡市紺屋町)による作品展「伝承と革新」が行われている。

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 作品展を企画したのは、ニューヨークを拠点に手拭いなどの日本の本染め製品を販売している「う~はお」のオーナー・キッペンブロック琉璃(るり)さん。キッペンブロックさんと巴染工は取引相手としても以前から交流があるという。

 2017年にキッペンブロックさんが手拭いのワークショップを開いた際、「自身が工場に立ったこともなく、染めた経験もない状況で講師を務めて良いのか」と抵抗を感じたことをきっかけに、2018年と2019年に巴染工で研修を実施。研修の中で職人技の素晴らしさや若手職人が生き生きと働く姿に感銘を受け、ニューヨーカーへもそれを伝えたいという思いが、作品展につながった。

 今回は「伝承と革新」をテーマに、昔ながらの技法で作られた「盛岡秋まつり」で使う半纏(はんてん)のほか、デジタル染色の製品、生活に取り入れやすいジャケットやパンツなど刺し子の生地を使ったアパレル製品、さまざまな模様の手拭いなど全45点の展示販売を行った。

 11月7日に行われたオープニングセレモニーには約70人が参加。会場に訪れていた「巴染工」の社長・東條誠さんは「想像していたよりも大盛況で驚いた。SNSなどを見て遠方から足を運んでくれた人もいて、日本の染め物に興味を持ってくれている人の多さを感じた」と話す。「製品だけではなく、職人の等身大タペストリーも展示して、職人魂をニューヨークの皆さんへ伝える思いを込めた。伝統と革新の技術を見てもらえる空間となり、心から感謝している」とも。

 今回の展示は、「日本の職人」に焦点を当てたコレクションシリーズの第1弾。今後も職人の技を紹介する展示が続いていくという。「古くから引き継がれているもの、そして新しく開発されたもの、どちらもニューヨークの皆さんに興味を持ってもらうことができた。今回の作品展の趣旨でもある『職人』の姿を実際の製品と共に紹介できたこと、製品と共に作り手の思いを持ち帰ってもらえたのが何よりの成果」とキッペンブロックさん。来年2月にも盛岡を訪れる予定があり「昭和の景色が大切に残されている盛岡の街が大好き。訪れるたびに盛岡に恋をしている。今からとても待ち遠しい。アメリカの皆さんにも一度盛岡に行ってもらいたい」とも。

 海外での情報発信について東條さんは「染め物はファッションアイテムとしての関心も高い。今度はヨーロッパの方へも行ってみたい。世界へと発信している理由は、盛岡の魅力を伝えるとともに、たくさんの人に盛岡に来てもらいたいから。地元の皆さんにもより親しんでもらえれば」と呼び掛ける。

 作品展は今月26日まで行われる。

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