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岩手県立図書館で「深沢夫妻」にまつわる企画展 挿絵と文学に焦点当てて

2人が手掛けた児童書や絵本、画集など図書館ならではの資料が並ぶ

2人が手掛けた児童書や絵本、画集など図書館ならではの資料が並ぶ

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 岩手県立図書館(盛岡市盛岡駅西通1)で現在、企画展「深沢省三・紅子の仕事~挿絵と文学~」が開かれている。

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 盛岡出身の画家・深沢省三の生誕から、今年で120周年を迎えることに合わせて企画された同展。省三と、その妻の紅子の足跡を、2人が手掛けた本の挿絵や装丁の仕事を中心に縁がある文学作品を関連資料と共に、図書館ならではの視点で紹介する。

 担当者の安保和徳さんは「2人は画家なので、図書館での企画展が本当に成立するのかという不安もあった。美術館であれば絵画作品だが、図書館なら本がある。今回は挿絵画家としてたくさんの本に彩りを添えた深沢夫妻の仕事を紹介したい」と話す。

 展示する資料は、深沢夫妻が挿絵や表紙絵、装丁を手掛けた絵本や児童書、画集など作品に関する資料のほか、2人の人柄が読み取れるエピソードが書かれた本や新聞記事、2人と関わりがある画家や文学者にまつわる資料など101点を展示。パネルを使って、2人の生い立ちや生涯についても文章で紹介する。絵本や画集など、展示資料の一部は貸し出しも行う。

 省三と紅子の「絵かき夫婦」がどのように暮らしていたかという背景を伝え、さまざまなエピソードを読みながら絵を楽しんでもらいたいという思いも込めたという。

 安保さんは「例えば、省三さんが紅子さんの花嫁姿を描いた絵がある。2人が故郷で結婚式を挙げる時、省三さんは花巻人形を探すのに夢中になって汽車に乗り遅れてしまい、到着したのは結婚式の後だったそう。これを聞いた後に絵を見ると、描かれている紅子さんはどんな気持ちだったのか、省三さんは怒られたのかと想像が膨らむ」と話し、「2人の絵は作品としてもちろん素晴らしいが、絵だけではない人となりにも触れてもらいたい。展示をきっかけに、図書館の本からも2人について知って」と呼び掛ける。

 開催時間は9時~20時。入場無料。10月14日まで。

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