盛岡市は、託児室などの機能を持つ「子育て応援プラザ(仮称)」を、同市大通の商業ビルに本年度内に開設する。
同プラザは昨年3月に策定された「盛岡市子ども・子育て支援事業計画」の基本目標の一つ「みんなで子ども・子育てを支える環境づくり」に基づき設置するもの。子育て世代の交流や相談対応が主な目的で、親世代へ向けた施設は初の試み。親子に限らず、市民が一般利用できるスペースも設けることで中心市街地の活性化を行うとともに、社会全体での子ども・子育て支援に参加するまちづくりの実現を目指す。
開設予定場所は「第8大通ビル」(大通1)の3階フロア。約170坪を公共エリアと民間エリアに分け、どちらも業務委託形式で運営する。今年8月から公共エリアの運営団体と、民間エリアの運営事業者を募集。公共エリアは「認定NPO法人いわて子育てネット」が運営、民間エリアについては「ママスクエア」「ネクスト・キャビネット・イワテ」の2社が共同で運営する。
公共エリアは子どもの一時預かりを行う託児室や室内遊び場、授乳室、相談室など子育て世代からの要望が多かった設備を配置。親同士が交流できるフリースペースなども整備し、親が子どもから離れてリフレッシュできるような空間を想定している。
民間エリアでは、託児機能を併設したワークスペースとカフェ機能を持ったイベントスペースの開設・運営を予定。ワークスペースでは、上場企業などからの委託を受け、コールセンター業務やデータ入力作業など行う。ワークスペースにはキッズスペースも併設し、子どもの姿を見ながら働ける環境を整備する。イベントスペースでは子育てをテーマにしたイベントなどを企画。カフェ機能を設けることで親世代だけではなく、一般利用も見込んでいる。
ネクスト・キャビネット・イワテ社長の臂徹(ひじとおる)さんは「市内の待機児童問題は解消されていると聞くが、定住人口が増加している地域では保育園や幼稚園などが足りず、便利の良くない園への通園・通学を余儀なくされるという話もある。遠回りして子どもの送迎をしながら、働くことはいずれ大きな負担となりかねない。それを取り払う方法を社会全体で考えてほしい。この事業を通して、親だけではなく多くの人が『子どもがいるから頑張れる』と思えるような場所づくりをしていきたい」と話す。