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盛岡市内に地震に強く凍らない給水栓 災害時にも安心して水が飲めるように

勢いよく水が流れ出る365すいどう

勢いよく水が流れ出る365すいどう

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 盛岡市が災害時などに備えて整備を進める「耐震不凍給水栓」の1号基が6月6日にお披露目された。

6日に行われた1号基のお披露目式の様子

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 「耐震不凍給水栓」は、地震に強く、凍らないことが特徴の水飲み場。地震の揺れに強い管を用い、レバー式の水栓で水を止めると同時に水抜きの操作ができる構造で、寒い冬でも凍らずに安定して水が供給できる。給水栓をコンクリートで覆うことで外部からの衝撃にも強く、電力を利用しないため停電時でも給水可能。災害時以外にも365日24時間飲料水を提供できる水道ということから「365(さんろくごう)すいどう」という愛称を付けた。市によると耐震不凍給水栓の整備は東北の自治体では初となる。

 市では、指定緊急避難所等になっている小中学校などの応急給水拠点に耐震不凍給水栓を順次整備し、2042年度までに72基を設置する計画としている。1号基は、市の水道事業が昨年90周年を迎えたことを記念する事業の一環として、多くの人に「365すいどう」について知ってもらおうと、市内中心部の観光文化交流センター「プラザおでって」の屋外広場に設置した。

 1号基は障害のある作家のアート作品のライセンス管理など手がける「ヘラルボニー」との共創で、同社契約作家・小林覚さんによるアートでラッピング。小林さんの作品は文字をつなげて書くのが特徴で、市水道事業90周年記念のスローガン「ゴクゴク飲める水道水を次世代へ」や「365すいどう」などの文字が使われている。段差がない設計とレバー式の水栓を取り入れ、誰もが使いやすい作りになっている。

 これまでの災害時の応急給水は仮設の水槽を設置し、給水車で水を運んでいた。災害時には市職員なども被災者になり、初動対応に時間がかかる場合も想定される。耐震不凍給水栓を設置することで、より迅速な対応ができることにも期待が寄せられる。

 お披露目式には、内館茂市長や小林さんなど関係者らが出席。内館市長は「災害時の応急給水の要として、耐震不凍給水栓『365すいどう』の設置を進めている。365すいどうは地震や寒さに強く、災害時にも優しい水道。この場所で多くの人に親しんでもらいたい」と話した。

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