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岩手復興ドラマ制作発表 震災の記憶を世界へつないで

ドラマ制作に携わるスタッフと主役の2人

ドラマ制作に携わるスタッフと主役の2人

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 岩手県が東日本大震災からの復興の様子をまとめる「東日本大震災復興動画制作プロジェクト」による「岩手復興ドラマ」の制作発表会が11月17日に行われた。

主演の太田いず帆さん(左)、刈屋真優さん(右)

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 同プロジェクトは震災の記憶を風化させず、復興への継続的な支援につなげるため、震災から現在までの復興の歩みを伝えるドラマを制作するもの。8月から9月にかけて原作ストーリーと出演者を一般公募し、原作ストーリーは75作品、出演者には202人と県内外から応募が集まった。今回は応募作品の中から、「日本一ちいさな本屋」と「冬のホタル」の2作品をドラマ化する。

 制作発表会にはドラマの監修を務める作家の高橋克彦さん、「日本一ちいさな本屋」の下山和也監督、「冬のホタル」の都鳥拓也監督・伸也監督、テーマソングを担当するシンガー・ソングライターの松本哲也さんのほか、一般公募で選ばれた主演の太田いず帆さん、刈屋真優さんが出席した。

 「日本一ちいさな本屋」は、大船渡市三陸町が舞台。手作り絵本を通じて、震災の記憶を語り継ぐ家族の物語となる。下山監督は「沿岸の皆さんと交流する中で、支援への感謝を伝えたいという思いを強く感じていた。この物語は被災地であった出来事のうちのたった1つかもしれないが、被災地の皆さんの気持ちや復興の様子を描いていきたい」と話す。同作品で主演を務める太田さんは宮古市出身。「友人や知人が被災し、私の中でも思い出したくない記憶の一つだが、決して忘れてはいけないこと。被災地の皆さんは明るくてとても強いが、無理に強がらなくてもいいということを、演技を通して伝えたい」と故郷への思いを話す。

 「冬のホタル」は東京から被災地を訪れるボランティアの女性が主人公。県外から震災に関わった人の視点から、被災者との交流の様子を描く。都鳥拓也監督は「被災者とボランティア、2つの視点から震災を描いていく。公募、撮影、公開まで一つ一つが意味を持った作品。いろんな側面からも発信していきたい」、伸也監督は「原作者と話をしたときに『大きな幸せを探すのではなく、小さな幸せを集めていくことが心の復興になる』という言葉を聞いた。震災から5年がたち、前を向いて生きていく皆さんの姿を描いていく」と話す。同作品主演の刈屋さんは今回が演技初挑戦となる。「この話は前を向いて歩こうというメッセージを強く感じる作品。見た人の心に明日への希望を残せるように演じたい。自分は内陸にいて、被災地とは直接関わることができなかった。ドラマを通じて震災の記憶を残す手伝いができればうれしい」と意気込む。

 監修の高橋さんは作品について「6年という時間は長いが、実際に被災した人にとっては短く切実な問題。励ましたいと思ってこれまでも作品を作ってきたが、被災者の目に見えない心を描くのは難しい。今回はドキュメンタリードラマとして、そこへ踏み込んでいけると感じる。被災者のために最前線に立ち、寄り添い続ける岩手県の覚悟が伝わる作品になる」と話す。

 撮影開始は12月に始まり、完成は1月を予定。作品公開は3月を予定し、テレビでの放映のほか県内各地での上映会、動画配信サイト「ユーチューブ」でも公開する。

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