肉や野菜、魚介類など、岩手県産の生鮮食材を使ったメニューガイド「いわての『食財』を使ったヘルシーレシピ集」が3月31日、発行された。実際のレシピは県内で活躍する野菜ソムリエや料理研究家など3人による「首都圏外食中食提案用メニュー作成委員会」が考案した。発行は岩手県農林水産部流通課。
同冊子は、岩手の食材を活用したメニューを3人の料理家がそれぞれ10ずつ持ち寄り、レシピ集として1冊にまとめたもの。1食あたりの材料費や調理時間、食事バランスの目安となるサービング(SV)指数を掲載し、レストランのシェフやデパートの地下街食品売り場(デパ地下)の調理担当者など、外食や中食の「プロ向け」に作成した。タイトルでは、食材をあえて「食財」とし、岩手の生鮮食料品が「財産」である点もアピールする。
掲載メニューには、「軽米産いわて短角和牛の葛巻産赤ワイン煮」「二子さといも包み龍泉洞黒豚の蕎麦衣揚げ豆乳ソースカレー風味」「県北産雑穀入り自家製パンのわかめチーズ焼き」など、食材の産地をアピールするものが並ぶ。中には「三陸・さんま丼」など、そのものずばりな名前のメニューも。
企画を担当した県農林水産部流通課の小原誉さんは「首都圏で岩手の食材を紹介する際に、料理人の方々から『どのように調理したらよいのか』という質問をいただいいていた。今回はその経験を生かして、産地としての良さはもちろん、食材の特徴や調理方法がプロの視点からわかるよう心がけて制作した。料理人の方々に、岩手の肉や食材の良さをアピールしたい」と話している。「どうしても県内では入手できない食材や調味料以外は、極力岩手県産のものを取り入れた」とも。
岩手県は昨年6月に達増拓也知事が行った就任直後の所信表明演説の中で、主要6つの政策に「日本の食糧供給基地岩手」を盛り込むなど、県単位で100%を超える高い食料自給率を背景に、県外に向けて農産物や海産物などの供給することを宣言している。農林水産省が今年3月に発表した2006年度・都道府県別の食料自給率で岩手県は105%。
冊子は本文18ページで、印刷部数は500部。主に首都圏のレストランやデパ地下などで配布するほか、レシピはすべて県のインターネットを通じて公開する。
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