岩手県が開発したオリジナル酒米新品種「岩手酒98号」の名称が「結の香(ゆいのか)」に決まり、統一ブランド「純米大吟醸 結の香」として3月19日、県内の酒造会社6社から発売された。
岩手県では15年ほど前から大吟醸酒用酒米の育成に着手。「結の香」は交配から10年を経て「岩手県農業研究センター」が2011年度に開発。2012年度は紫波町、奥州市の2カ所、2.4ヘクタールで栽培された。本年度は5ヘクタールで栽培し12社で醸造を予定する。精米時や醸造時に砕けにくく、雑味成分となるタンパク含量が少ないなど大吟醸酒向きで、酒米の代表格「山田錦」と比べても夏の短い岩手での栽培に適しているという。
岩手県酒造協同組合では「結の香」を使った酒で全国新酒鑑評会での金賞受賞を目指すという。岩手県農産園芸課の中南(なかみなみ)博水田農業課長は「上品な香りと淡麗な味わいでおいしいお酒になった。生産農家と蔵元に喜んでもらえる品種に育て上げて全国に発信していきたい」と意気込む。
今回「純米大吟醸 結の香」を発売するのは「あさ開」「菊の司酒造」(盛岡市)、「南部美人」(二戸市)、「月の輪酒造店」(紫波町)、「岩手銘醸」(奥州市)、「酔仙酒造」(大船渡市)の6社。各社1000本限定で、1本(720ミリリットル)3,500円で販売。