
IGRいわて銀河鉄道は4月16日、同社が取り組む社会問題解決型事業「のりまち就活サイト」の一環として、鉄道関連企業22社の大型看板を青山駅ホームに設置した。
「のりまち就活サイト」は鉄道業界の人材不足解決を目指し、同社が今年から取り組んでいる事業。「のりまち」は、列車に乗るまでの待ち時間や乗って到着するまでの待ち時間を意味する。「のりまち」を活用し、駅や列車の利用者に向けて鉄道業界と企業についてPRし、企業のイメージ向上と採用活動を支援することを目的にしている。
趣旨に賛同した22社が参加し、3月には各社の広告を車両の床に貼り付ける「フロア広告」と中づりポスターを掲出。今回は視認性の高い大型の看板を駅ホームに設置した。看板はホームで列車を待つ人だけではなく、列車内からも目に留まりやすい形になっている。
同社広報企画担当の浅井うららさんは「人材不足は鉄道業界の大きな課題。IGRでも採用活動を行っているが、なかなか人手が集まらない。1社だけでは注目されなくても、たくさんの企業が一緒に取り組むことでインパクトのある活動になると考えた」と話す。
事業に参加する日本電設工業は全国の鉄道電気工事を手がけているが、技術者不足に悩んでいるという。「参加している22社共に、思いは同じだと思う」と同社盛岡支社長の須藤学さん。「鉄道が走るための工事をする人、車両をメンテナンスする人、運転する人、運行を管理する人、多くの人が関わることで安心安全の鉄道輸送が実現している。まずは鉄道にかかわる企業がたくさんあることを知ってもらい、それが就職活動につながれば」と期待を込める。
看板とフロア広告の設置期間は1年間。来年度以降も実施できる事業に育てることも目標としている。「鉄道業界を知ってもらうというのが一番の目的だと感じている」と浅井さん。「事業の準備を進める中で、IGRの職員からも『こんな企業があるんだ、こんなにたくさんの人が関わっているんだ』と驚く声があった。看板や広告から興味を持ってもらい、鉄道の仕事が皆さんの候補の一つになれば」と話す。