盛岡市と市社会福祉協議会、セブン-イレブン・ジャパンの3者が5月23日、「商品寄贈による社会貢献活動に関する協定」を締結した。
セブン-イレブン・ジャパンは社会貢献活動として、地域と連携し、店舗の改装時などに発生する在庫商品の一部を寄贈する取り組みを行っている。寄贈した商品は社会福祉協議会を通じて福祉活動団体や社会福祉に関連する施設、支援を必要とする個人・世帯などに提供される。商品寄贈に当たって、全国44の自治体・社会福祉協議会と協定を締結し、盛岡が45例目。岩手県内では初となる。
23日に行われた協定締結式には同社オペレーション本部東北ゾーン盛岡地区ディストリクトマネジャーの山口貴司さん、市社会福祉協議会の米田ハツエ副会長、内館茂市長が出席。市内のセブン-イレブン加盟店オーナーなど関係者らが見守る中、協定を結んだ。
協定により、市内のセブン--イレブン店舗の改装・移転時などに発生した在庫商品の一部を社会福祉協議会に寄贈。同協議会を通じて支援を必要する所に分配する。市は広報活動など目的達成のための取り組みを担う。寄贈対象となる商品は加工食品や雑貨の一部で、おにぎりなどの日配商品や温度管理が必要な商品、酒・たばこといった免許品は除く。
セブン-イレブンは2008(平成20)年に盛岡への出店を開始。山口さんは「出店から十数年が経過し、内装のリフレッシュなど店舗の改装を行う機会は今後増えていく。その時に全ての商品を売り切ることは難しい。それらを一部でも寄贈することで、社会貢献や食品ロスの削減などに微力ながら役に立ちたい」と話す。
米田副会長は「食料品や雑貨を求める人が増えている一方、物品は入ってこない。今回の協定を通じた連携は本当に助かる。同じものをまとまった量で寄贈してもらえると、分配する時にもありがたい」と話し、「新型コロナ禍や昨今の物価高騰の影響により、地域生活課題は複合化・複雑化・深刻化が進んでいる。対応が困難な課題に対しては多職種分野との連携による支援が求められる。今回の連携は生活に困難を抱える人への新しい支援と取り組みになると思う」と期待を込める。
内館市長は「社会的な孤立が課題となる中、このように官民一体となった取り組みは地域社会のつながりを築くための大きな一歩となると考えている」と話す。