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もりおか歴史文化館が「おちらしさんアワード」5位 「チラシは展覧会の顔」

企画展「罪と罰」のチラシ。黒いインクに鈍く光る銀色が展示内容の重たいイメージを伝える

企画展「罪と罰」のチラシ。黒いインクに鈍く光る銀色が展示内容の重たいイメージを伝える

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 もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)で開かれた企画展「罪と罰-犯罪記録に見る江戸時代の盛岡-」のチラシが、チラシ宅配サービス「おちらしさん」が実施する「おちらしさんアワード2023~美術版~」で5位に入賞した。

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 同アワードでは、舞台ファンや美術展ファン、チラシファンから自由記述式でお気に入りのチラシを募集する1次投票を行い、舞台版と美術版の2部門でノミネートチラシを選出し、決勝投票で各部門の1位~10位を決める。今年の美術版には49点がノミネートされた。

 企画展「罪と罰」は、江戸時代の盛岡藩で起きた犯罪の記録などを紹介する内容で、チラシは「罪と罰」の文字を中央に大きく配置した。投票した人からは「恐ろしくも厳しく公平であらんとするイメージ」「シンプルながらモノトーンの配色も含めインパクト大」というコメントが寄せられた。

 デザインを手がけた黒丸健一さんは「インパクトのあるタイトルと、言葉の響きや字面の強さを生かしたストレートに伝わるデザインが良い」と考え、罪と罰の3文字だけで印象付けるアイデアを提案。人間の内面的な悪を重たい印象の文字で表現した。黒丸さんは「投票で決まるアワードに選ばれたことはとてもうれしい」と喜ぶ。

 企画展担当学芸員の福島茜さんは「文字資料が多く、資料画像を使っても地味なので、目を引くために派手にしてほしいと依頼した。文字だけで強烈に人の目を引き付ける派手さを出せるのだと感動した。担当した展覧会のチラシが選ばれたことが誇らしい」と話す。来場者アンケートには「チラシを見て来館した」という声も多かったという。「展覧会のチラシは、その館のイメージをつくり上げるものとしても非常に重要。デザインにこだわってきたことで、館自体の知名度向上にも結び付いていると感じる」とも。

 印刷にもこだわり、茶色のクラフトペーパーの全面に黒いインクを印刷し、その上にシルバーの特色インクを重ねて暗闇の中で鈍く光るイメージを表現。印刷を担当する「川口印刷」からのアドバイスも受けて仕上げた。「平面的なデザインだけではなく、用紙の質感やインクの発色といった印刷表現のことも重要視している。博物館・デザイナー・印刷会社の3者の思いが組み合わさることが大切」と黒丸さん。「ただ目立とうとするのではなく、展示のテーマや目指したい印象、どういう層の目に留まってほしいかを意識し、展覧会の顔をつくるようなイメージで考えている。『罪と罰』展は終わってしまったが、機会があれば実物のチラシを手に取ってインクの陰影や質感を見てもらいたい」と話す。

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