買う

盛岡のラーメン店でヘーゼルナッツの担々麺 栽培の背景根付かせ、活用広める

ヘイゼルナッツペーストを使った香ばしい風味の「はしばみ担々麺」

ヘイゼルナッツペーストを使った香ばしい風味の「はしばみ担々麺」

  • 2

  •  

 ラーメン店「らあめんサンド」(盛岡市西青山2)で現在、盛岡市内の畑でヘーゼルナッツの栽培に取り組む「nomos(ノモス)」とコラボレーションした季節限定メニュー「はしばみ担々麺」を提供している。

[広告]

 「nomos」では2021年からヘーゼルナッツの栽培を開始。もともと自家焙煎(ばいせん)コーヒーの販売を行っていることから、コーヒーと一緒に提供できるものを調べる中、昭和30年代に岩手県林業技術センターでヘーゼルナッツ栽培の研究を行っていた資料を見つけたことをきっかけに、岩手の新たな名物にできないかと栽培を始めた。

 ヘーゼルナッツは順調に成長中で、今年は少量の収穫も期待できるという。その一方、代表の内澤啓太さんは「本格的に収穫量が増える前に、岩手でヘーゼルナッツを栽培していることを根付かせたい」と考えてきた。「ヘーゼルナッツは主に製菓に使われている印象を持っていたので、それ以外の料理での活用法を探っていた」と内澤さん。共通の知人を通じて交流があった「らあめんサンド」の店主・阿部智さんの力を借りた。

 ヘーゼルナッツを使ったラーメンの試作は昨年11月ころから開始。「ナッツを使うなら担々麺が良いだろうと考えていた」と阿部さん。ヘーゼルナッツを使ったラーメンの例は少なく、阿部さんも食べた経験がないことから手探り状態の開発で、課題となったのがヘーゼルナッツの香りを引き立たせる方法だった。内澤さんがコーヒーの焙煎をしている経験を生かし、ヘーゼルナッツをローストしてから使うことで香りや味が格段に良くなったという。さらに、コーヒーの焙煎機を使い、ナッツを直接火に当てることで香りが際立つことや、ロースト具合を変えることで味が変わることも発見した。

 完成した「はしばみ担々麺」の「はしばみ」はヘーゼルナッツの和名「セイヨウハシバミ」から取った。ロースト具合の違うヘーゼルナッツをブレンドしてペーストにし、「らあめんサンド」の通常メニューでも使っている「鶏スープ」と合わせた。ヘーゼルナッツの香ばしさを感じてもらおうと、ラー油やゆずこしょうを別添えにし、少しずつ混ぜることで香りや味わいが変化するように工夫した。麺もスープに合わせた専用の自家製麺を使う。

 阿部さんは「自分も食べたことがない味を開発するのは正解が見えず難しかった。おいしいという感想もあり、今はようやくほっとしている。ヘーゼルナッツの香りを存分に楽しんで味わってもらいたい」と話す。

 現在はトルコ産のヘーゼルナッツを使用しているが、いずれは岩手県産のものを使った担々麺の提供も視野に入れる。内澤さんは「ヘーゼルナッツ栽培について情報発信していると、『自分も栽培してみたい』という問い合わせがある。幅広い活用法を示すことで、使ってみたいという人が増えれば、生産者も増える。まずは皆さんに知ってもらい、おいしく味わって、興味を持ってもらえたら」と呼びかける。

 価格は1,000円。営業時間は11時30分~15時。水曜・第3火曜定休。提供は4月中旬までを予定。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース