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広報誌「盛岡城日記 雑書」発行開始 盛岡城の歴史と復元への取り組みを身近に

6月に発行された最初の「盛岡城日記 雑書」

6月に発行された最初の「盛岡城日記 雑書」

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 盛岡市盛岡城復元調査推進室は6月、同室の活動や盛岡城に関する情報を発信する広報誌「盛岡城日記 雑書」の発行を始めた。

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 同室は昨年度設置され、史跡・盛岡城の歴史的建造物の復元を検討するための根拠となる歴史的な史資料の探索を含めた調査・研究を行うとともに、史跡の価値の理解促進を目的とした取り組みを行っている。

 昨年9月からは新たに最高1,000万円の懸賞金を創設して、盛岡城の歴史的建造物の復元の根拠となる史資料の提供を呼びかけ、全国的な注目も集めた。パネル展などを通して同室の取り組みを伝える広報活動にも力を入れるが、なかなか同室の存在が市民へ浸透しないことが課題となっていたという。そこで、同室の活動を知ってもらい、盛岡城の存在を身近に感じてもらおうと、今年から広報誌の発行を始めることとした。

 広報誌を担当する工藤啓さんは「盛岡城を復元するのか、しない方がいいのか、復元するとしてどのような方法を選ぶのか、市民の皆さんと一緒に考えるためにも推進室の取り組みを知ってもらう必要があると思う。広報誌を通じて多くの人に活動と存在が広まれば」と話す。

 広報誌の名前は、盛岡藩の家老による政務日誌「雑書」が由来。同誌では、盛岡城復元調査推進室の活動や調査で見つかった資料の紹介、盛岡城にまつわる物語などを紹介。専門的な立場で調査に関わる人の話も発信し、市民の興味関心につなげる。「広報誌を作ったことで、専門的に関わる皆さんからも『こういう部分があまり伝わっていなかったんだ』という発見の声がある」と工藤さん。「盛岡城そのものについて知ってもらう機会も少ないので、その歴史や小話も楽しんでもらいたい」と話す。

 懸賞金の創設以降、今年5月末までに市に寄せられた史資料などに関する情報は約90件で、天守の古写真や城内に存在した建物の平面図など盛岡城の歴史的建造物の復元の根拠となる史資料はまだ見つかっていない。盛岡城復元調査推進室では今後も調査と取り組みの広報を継続していく。

 調査に関わる同室文化財主査の花井正香さんは「盛岡城が取り壊されてから約150年がたち、資料を持っている人が代替わりしてしまうなどの影響で、資料が見つからない可能性が高くなってきている。何かぴんときた人、心当たりのある人は盛岡城復元調査推進室まで一報を」と呼びかける。

 広報誌「盛岡城日記 雑書」は盛岡市のウェブサイトに公開する。

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