中華料理店「中華料理 正華（せいか）」が4月28日、みたけ店など3カ所にオリジナルの自動販売機を設置した。

　自動販売機の設置は、新型コロナ禍による外食機会の減少が続く中でのアイデアの一つ。同店では、コロナ禍の状況を生かした提案として、冷凍のギョーザの皮とあんがセットになった手作りギョーザキット「ファミリー餃子（ギョーザ）パック」を昨年5月に発売し、好評を得ていた。

　ギョーザキットに続く「次の一手」として自動販売機に着目。店長の星川一馬さんは「コロナ禍の影響もあり、全国的にいろいろな自動販売機がブームになっている。県内ではまだ数が少なかったので、これは面白い取り組みなのではと思っていた」と話す。

　みたけ店（みたけ2）と向中野店（向中野5）の駐車場内と、岩手町の「中川石油 セルフ沼宮内SS敷地内」の3カ所に設置。冷凍の総菜を24時間購入できる。設置場所によって用意しているメニューが異なり、店舗では提供していない商品もある。

　現在、みたけ店と向中野店では、エビシューマイ（10個）とショーロンポー（5個）のセット（1,000円）やエビチャーハン（1人前700円）、自動販売機限定の豚角煮 甘酢あん（300グラム、700円）など5種類。セルフ沼宮内SSでは、肉の細切丼の具、カラシ味噌（みそ）丼の具（以上300グラム、700円）、エビのチリソース（6個入り700円）を取り扱う。今後は2カ月ほどで内容を入れ替える予定。

　28日に稼働を始めると予想を上回る利用があった。補充してもすぐ売り切れる日もあり、品薄の状況になることもあるという。深夜や早朝に訪れる人もいる。「正直とても驚いたが、本当にうれしい。お客さんを飽きさせない工夫を続けていく」と星川さん。

　コロナ禍での挑戦としては、各種SNSを使った情報発信や、ユーチューブでの動画投稿もある。自動販売機で販売している総菜の食べ方を紹介する動画を投稿する考えもあるという。自動販売機の最新情報もSNSを使って発信していく。

　星川さんは「いつでも購入できて、好きな時に店の本格的な味が楽しんでもらえるのはテイクアウトにはない、自動販売機ならではの良さだと思う。コロナ禍はまだまだ先が見えない。閉塞（へいそく）感がある中で、前例のないことに日々挑戦していきたい。これからも注目してもらえれば」と呼びかける。