都南図書館(盛岡市永井)の中高生向けコーナー「青春(アオハル)文庫」付近に、地元出身大リーガー菊池雄星選手の関連本などを紹介する「先輩の本棚」がお目見えした。
「岩手の読書週間」に合わせて館が設置したもの。岩手の読書週間は、県内における読書推進活動の伝統を継承し、全県的な関連行事の展開を通じて読書活動の普及啓発を図るために毎年行い、今年で62回目を数える。同館では、2月23日まで「岩手の風景」をテーマにした企画展示も行っている。
菊池選手は小・中学生時代を盛岡で過ごし、見前中学校から花巻東高校へ進学。読書家としても知られ、2020年から県の読書感想文コンクールにも関わっている。「先輩の本棚」の設置には、「地元のヒーローを応援したい」という同館職員らの思いがこもる。
企画を担当する図書奉仕員の菅野恵子さんは「菊池選手が通っていた小学校や中学校が近かったこともあり、都南図書館も利用していたらしいという話も聞く。菊池選手といえば花巻東のイメージが強いが、盛岡出身であることをもっと伝えていきたい」と話す。
「青春文庫」は昨年度開設したばかりで、主に新刊図書を並べ、中高生が「読みたい」と思える本を提案している。菊池選手は小・中・高校生にとって身近な存在であることから、この場所に「先輩の本棚」を作ることに決めた。
紹介するのは、菊池選手がインタビューなどで紹介した「おすすめ本」と、菊池選手についての記事を掲載したスポーツ雑誌などの関連本。菊池選手の「おすすめ本」は20冊ほどが並び、哲学や心理学の本、歴史小説、ミステリーなどバラエティーに富む。同じく花巻東高校出身の大谷翔平選手に関連した資料も展示する。
閲覧室の入り口には、菊池選手の活躍を伝える新聞記事も掲示。職員が「いつか展示しよう」と保管を続けていたものだといい、中には高校時代の記事もあり、懐かしい姿を見ることができる。
「岩手の読書週間」は2月14日までだが、「先輩の本棚」は常設コーナーとして、紹介する本の内容を変えながら今後も継続予定。菅野さんは「読書家で、地元の小中学校を卒業した先輩のお薦め本や関連書籍を並べている。お薦め本はどれも若い皆さんに楽しんでもらえると思う。青春文庫と共に本棚を見てもらいたい」と呼び掛ける。
開館時間は9時~18時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。