岩手県が1月15日、「イワテメイドアパレルプロジェクト(IMAプロジェクト)」の新商品を発表した。
岩手県内の縫製工場の技術を生かし、自社の強みを生かした独自ブランド商品の開発・販売、技術力の発信を行う同プロジェクト。県内の縫製工場が手掛けるOEM製品などは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けてメーカーからの発注が激減。それを支援するための企画として2020年度に岩手県が開始した。自社ブランドの商品を作ることで新たな収益につなげる。
2期目となる今年度は、コロナ禍で減っていたメーカーからの発注が回復傾向で、生産拠点などの国内回帰も進んでいることから、プロジェクトを継続することで技術力のさらなるアピールにつなげ、消費者とアパレル業界の認知度向上も目指す。
1期目を経験して積極的にブランドを売り込み始める事業者もある。事業主体を担う地域商社「manorda(マノルダ)いわて」の担当者は「一過性のプロジェクトではなく、事業化して続けていくことが大切だと考える。このプロジェクトには自分たちの手で作り、伝え、売るという流れを知ってもらう側面もある。自分たちのブランドを売り込もうとする企業が一社でも増えれば」と話す。
今年度は1期目に参加した企業6社に加え、4社が新たに参加。参加事業者は一戸町の「一戸ファッションセンター」「日本ソーイング岩手工場」、久慈市の「岩手モリヤ」、宮古市の「クラスター」、一関市の「京屋染物店」、盛岡市の「三和ドレス」、野田村の「ナカイズミ野田工場」、二戸市の「ニノヘサントップ」「二戸ファッションセンター」、洋野町の「ハシモトソーイング」。
1月15日には「パルクアベニュー・カワトク」で新商品発表会を開催。ワンピースやシャツ、ジャケット、コート、セットアップ、子供服などをお披露目した。価格帯は高すぎず、普段使いができるものや、継続的に販売できる商品がメイン。同日から16日まで行われた受注会を併せて開催。昨年度の商品を愛用する人や、前回購入できなかったため今期の商品を求めに来た人もいた一方で、県内に縫製工場があることを知らない人も多いという。
商品は一部を除いてカワトク・オンラインと「買うなら岩手のものバーチャル物産展」でウェブ注文を受け付ける。商品の展示会や出張販売会も予定。1月24日から28日まで岩手銀行本店営業部の特設会場で、2月7日から10日まで岩手銀行二戸支店・一戸支店で、それぞれ展示するほか、2月1日・2日には岩手県庁で出張販売会を行う。
担当者は「リピーターも増え、継続することの効果も見えてきた。続けることでその年のトレンドに合わせたものづくりもできると思う。まずは岩手に素晴らしい縫製技術があることと独自のブランドが生まれていることをもっと知ってもらいたい」と話す。