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「盛岡しょうが市」初開催へ ショウガにまつわる歴史と文化に触れて

「盛岡しょうが市」メインビジュアル

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 盛岡のショウガにまつわる歴史や文化に触れられるイベント「盛岡しょうが市」が11月15日、肴町・八幡町周辺などで始まった。

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 現在の肴町から八幡町周辺が古くは「生姜町(しょうがちょう)」と呼ばれていたことから企画されたイベント。きっかけの一つは、盛岡市先人記念館で行われた生姜町に関する企画展だったという。同イベントの実行委員会メンバーが展示を見て、生姜町という町名に理解を深め、「何かできないか」と考えていた。

 もう一つのきっかけは「神明社」の例祭。生姜町の町名の由来にもなっているもので、もともと「煙草町(たばこちょう)」と呼ばれていていた地域に神明社が置かれ、祭礼日にはショウガを売る習慣があったことから「生姜町」と改められたという。ショウガには「悪を遠ざけ、神様に通じる」という意味があり、神明社が盛岡八幡宮へと遷座された今現在も例祭には必ずショウガが奉納されている。

 この歴史と文化に感銘を受けたのが、実行委員メンバーと陸前高田市で「三陸ジンジャー」を栽培するショウガ農家・菊地康智さん。今年8月に行われた神明社例祭には実行委員メンバーと菊地さんも参列している。その後、「食という交流を通じてショウガが皆さんの心身から悪を遠ざけ、真心が神様に通じるように」という思いを込め、旧生姜町周辺の事業者の協力を得て「盛岡しょうが市」を企画した。

 広報担当の田村優子さんは「盛岡市内では現在も旧町名が愛されている印象がある。一方で生姜町については詳しく知らない人が多いようにも感じていた。今回のしょうが市のテーマには食を通じて新旧の文化を継承することもある。神明社で今もショウガが奉納されているのは私たちも知らなかった。それと同じように知らないことに触れるきっかけになれば」と話す。

 今回の「盛岡しょうが市」には21店が参加。期間中、それぞれ今年収穫したばかりの三陸ジンジャーを使ったオリジナルメニューを提供する。参加店の多くはもともと三陸ジンジャーを使用していたところも多く、自主的に参加した店舗がほとんどだという。限定メニューを注文した人には「三陸ジンジャー御朱印カード」を配布する。

 11月23日には肴町の複合施設「十三日」で「盛岡しょうが市 感謝祭」を開催。生の三陸ジンジャーの販売や、飲食メニューの提供を行う。

 三陸ジンジャーはちょうど旬の時期を迎え、これから冬に向け寒さも増して来ることから、田村さんは「『しょうが市』を通じて生姜町の歴史と文化に触れ、ショウガを食べて心も体も温かく過ごしてもらえたらうれしい」と話す。

 参加店舗は盛岡しょうが市のフェイスブックと各店舗で配布するリーフレットに掲載。今月30日まで。23日の感謝祭の開催時間は10時~15時。

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