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原敬記念館で100回忌特別展 前後編で波乱万丈の人生たどる

特別企画展が行われている企画展示コーナー

特別企画展が行われている企画展示コーナー

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 「原敬記念館」(盛岡市本宮4)で現在、「原敬100回忌特別企画展 前編『疾風怒濤(どとう)の前半生』」が開催されている。

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 2020年は原敬の100回忌に当たり、同館では2018(平成30)年度から「原敬100回忌記念事業実行委員会」と共にさまざまな記念事業の準備を進めてきた。同展も記念事業の一環として企画していたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて本年度に延期となっていた。

 今年は原敬の没後100年に当たることから、100回忌と兼ねて特別企画展を実施。原敬の業績や生涯を前後編に分けて紹介する。前編は「疾風怒濤の前半生」と題し、誕生から40歳ころまでについて序章と特別コーナーを含めた6部構成で取り上げる。

 展示資料は総計85件114点。同館が収蔵するもののほか、原敬の遺族から借りた貴重な資料などが並び、今回が初公開となる資料も多い。初公開資料としては、のちに原家とつながる「藤原氏浅井 家系図」や「原家家系図草稿」、原敬の司法省法学校時代の写真、原敬の母・リツの米寿を記念した頭巾とお膳掛け、原家の蔵にあった家宝について記した「原家家宝記」などがある。

 展示資料の一つに、原敬が自身の青年期についてまとめた「浮沈録」がある。担当学芸員は「若くして、これまでの自分の歩みに『浮沈』というタイトルを付けるほど、浮き沈みのある人生だったと思う。1度大きく沈んでも、その沈んだ場所で次へのステップを地道に踏み、新しい世界に浮いてくるのが原敬だ」と話す。

 原の学生時代が分かる資料の「法学校時代断片 無風流観梅記(むふうりゅうかんばいき)」では、学生時代に友人と共に梅の花を見に行くも帰りの電車賃が足りなくなり、寮の門限までに走って帰るというユニークなエピソードを本人が書いている。「こうして見ると、学生時代は今の若者と変わらないところがあるんだなと親近感も湧く」と担当学芸員。「平民宰相」として知られる以外の人物像が見えるのも展示の見どころとなっている。

 第4章では「原敬日記」から陸奥宗光と最後の会話をした日の日記を現代語訳で紹介。「陸奥伯には公私ともにほとんど相談しないことはなかったので、今更改めて聞かなくても伯の考えは熟知している」「伯が疲労し、苦痛をこらえる姿を見るのがつらい」「涙がこみあげてくるので、この場にいるのがつらい」という記述から、2人の信頼関係についても見えてくる。

 展示の冒頭部分では近年の原敬研究についても触れている。担当学芸員は「盛岡市民や岩手県民からは偉大な人物として知られているが、歴史的評価について研究者からは否定的に見られていた時代もあった。そして現代では再び評価されている。困難にぶつかっても努力を重ねる原さんの精神力やエネルギーは、今、難しい時代を生きる私たちの生き方の参考になると感じる」と話す。

 開館時間は9時~17時(最終入館は16時30分)。入館料は一般=200円、小・中学生=50円。9月26日まで。

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