原敬記念館(盛岡市本宮4)は現在、80インチの大型モニターを導入し、原敬の生涯を紹介する動画を公開している。
モニターの導入と紹介動画の公開は原敬100回忌記念事業の一環として実施。記念館では原自身が付けていた日記「原敬日記」をはじめとする貴重な資料や本人の遺品などを通じて、原敬の生涯や功績を紹介しているが、「映像があると全体像がつかみやすいのではないか」という考えから紹介映像の制作を行うこととなった。
本来は100回忌を迎えた2020年度中の公開を目指していたが、コロナ禍の影響を受けて延期。今年4月27日にモニターと映像を含めた「サイネージシステム」として同館での公開を始めた。モニターのサイズは縦が約1.8メートル、横が1.3メートル。タブレットを使って操作でき、8種類の動画を視聴できる。現在は感染症対策のため、動画視聴希望者が申し出て職員が操作を行う形になっている。
公開している動画のうち2本は原敬百回忌記念事業実行委員会が新たに制作したもので、地元テレビ局などの協力を得て構想に1年、制作編集に1年かけて完成した。動画は「原敬の生涯」と題した前後編で、原敬の誕生から暗殺までを分かりやすく解説する。史実に正確な内容にこだわり、学芸員の協力の下、シナリオは何度も構成と修正を重ね、同館を含めた盛岡市内や東京駅など原敬ゆかりの地で撮影を行った。そのほか、以前テレビで放映されたものや、大正時代の貴重な映像が視聴できる。
公開以来反響は大きく、土曜・日曜を中心に動画の視聴希望者が多いという。モニターは動画の放映だけではなく、館内で行う講座などでも活用されている。
同館館長の山内昭さんは「画面も大きく、映像も美しい。もちろん内容も正確さと面白さにこだわった仕上がり。平民宰相として活躍した時代のことを知っている人は多いと思うが、幼年期や青年期から取り上げているので、当時の出来事や環境がどう影響してきたかもよく分かると思う。たくさんの人に見てほしい」と話す。
開館時間は9時~17時。月曜休館。入館料は一般=200円、小・中学生=50円。