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「チャグ馬」共同馬主プロジェクト2021がスタート コロナ禍で祭りの継続を願い

今年の「チャグチャグ馬コ共同馬主カード」。桜を思わせるピンク色のデザイン

今年の「チャグチャグ馬コ共同馬主カード」。桜を思わせるピンク色のデザイン

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 色とりどりの装束をまとった農耕馬たちが滝沢市から盛岡市まで行進する伝統行事「チャグチャグ馬コ(うまっこ)」を東京から応援する「東京チャグチャグ馬コ」は現在、クラウドファンディングを通じて馬の飼育費などの支援募る「チャグチャグ馬コ共同馬主プロジェクト2021」を行っている。

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 「チャグチャグ馬コ共同馬主プロジェクト」は今年で3年目。チャグチャグ馬コに参加する農耕馬の飼育費用と伝統馬事文化の保護などを目的に支援金を募り、一定金額を寄付した支援者に「チャグチャグ馬コ共同馬主カード」を発行し、支援した馬との触れ合いや馬を飼育する牧場・農家との交流ができる仕組みとなっている。

 昨年は新型コロナウイルス感染症の影響も受けチャグチャグ馬コが中止になった。「東京チャグチャグ馬コ」では支援者からのメッセージを集めて「チャグチャグ馬コ応援メッセージ展」を企画。盛岡や滝沢で展示を行い、「来年も続けてほしい」という願いを届けた。「地方の祭りを持続させるコミュニティ活動」として「グッドデザイン賞2020」を受賞している。

 今年のプロジェクトでは、チャグチャグ馬コを未来につなぐために新しい馬を支援しようとこれまで支援していた農耕馬「伯鈴(はくりん)」に加えて、4月13日に生まれたばかりの子馬「昇馬姫(しょうまひめ)152」を応援。クラウドファンディングを通じて集まった支援金は、伯鈴と昇馬姫152の餌代や、医療費・削蹄(さくてい)費などの管理費として分配するほか、「チャグチャグ馬コ保存会」を通じて「チャグチャグ馬コ」の装束作りをはじめとする伝統馬事文化の継承活動の応援に充てる。

 現段階では残念ながら今年のチャグチャグ馬コも中止の見通し。「東京チャグチャグ馬コ」代表の斎藤正信さんは「支援者である共同馬主の皆さんからは、『今年こそ見に行きたい』という声があった。全国にはチャグチャグ馬コを知らない人、見たことがないという人が多く、プロジェクトを通じて訪問したいという人も多い。でも、祭りと命では命の方が大事。祭りはまた開催することができる」と話す。「ただ、祭りを維持するために、馬を飼う皆さんや運営している皆さんを応援し続ける必要がある。コロナ禍という条件下だが、今年も可能な限り何か企画したいと考えている」と意気込む。

 今年の共同馬主カードのイメージカラーはピンク。デザインは県内の学生が担当した。斎藤さんは「東北の祭りの中止が相次ぎ閉塞(へいそく)的な状況の今、桜のようなピンクの花を咲かせたい、元気を届けたいという思いを込めた。チャグチャグ馬コを続けていくためにも、岩手の皆さん、全国の皆さん、馬を敬愛する皆さんの力を借りたい」と話す。

 支援は1口3,000円から。6,000円以上で「チャグチャグ馬コ共同馬主カード」を発行し、金額に合わせた返礼品を用意する。目標金額は80万円。5月14日まで。

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