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もりおか歴史文化館でテーマ展「罪と罰」 町奉行の仕事に注目

学芸員が気になった事件記録の一つは、名付けて「毒入り蕎麦はっと殺人事件」

学芸員が気になった事件記録の一つは、名付けて「毒入り蕎麦はっと殺人事件」

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 もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)で現在、テーマ展「罪と罰-盛岡藩の犯罪記録と町奉行の仕事-」が開催されている。

 江戸時代の盛岡藩で実際に起こった事件の記録を通し、当時暮らしていた人々が犯した罪と与えられた罰を取り上げるほか、行政や司法を担当する町奉行の仕事を紹介する同展。企画のきっかけになったのが、盛岡藩の町奉行の一人「望月長兵衛」だった。

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 盛岡藩の家老による政務日記「盛岡藩家老雑書」には「望月長兵衛」の名前がたびたび登場することから、同館では町奉行の仕事をテーマにした展示を行おうと、その仕事について調べていたという。その過程で、盛岡藩で起きた事件の記録が多く見つかり、それぞれの事件に関するまとまった資料もあったため、テーマ展として取り上げることとなった。

 今回は「盛岡藩家老雑書」のほか、盛岡藩内で起きた犯罪とその処罰を記録した「刑罰」「諸刑罰」を中心とした15点の資料で11の事件を紹介。担当学芸員は「小さな騒ぎから窃盗、殺人、そして盛岡藩全体を巻き込む大騒動までさまざまな事件が起きている。現代のニュースに出てきてもおかしくないようなものもあり、表現はあまり良くないが、かなり興味深い内容が多い」と話す。

 取り上げている事件の中でも学芸員が気になった事件の一つが、現在の市内黒川で起きたとされる「毒入り蕎麦(そば)はっと殺人事件」。百姓の三四郎とその娘、三四郎の母が毒入りの蕎麦はっとを食べて体調を崩し、三四郎と娘は命を落としてしまう。事件の犯人は三四郎の妻で、生活に困っていた妻の両親を三四郎が助けなかったため恨みを持っていたのだという。当時、毒を食べさせることは重罪だったが、三四郎の行いから妻は減刑されている。

 「江戸時代にも情状酌量があったのだと知り、現代につながる部分も多いと感じた」と学芸員。このほかにも、「盛岡城内に酔っ払いが侵入」「門番の居眠り」「死者による告発」などの事件が、学芸員が付けたユニークな「事件名」と共に紹介されている。展示後半には町奉行の仕事を紹介。事件の捜査だけではなく、迷い人の保護や届け物など意外な仕事をしていた記録が並ぶ。

 学芸員は「現代では法に触れない行為が江戸時代では重罪とされているなど、現代とは違う社会制度から当時の人が何を罪だと思っていたのかを今回の展示で探っている。ここに展示していないものもあるので、いずれ何かの形で紹介できれば。町奉行の仕事についても分かっていないことは多いが、エピソードとして面白いものを選んだ。中間管理職的で忙しい立場にいた彼らの様子も知ってもらいたい」と呼び掛ける。

 開館時間は9時~18時(受け付けは17時30分まで)。入場料は一般=300円、高校生=200円、小中学生=100円。2月15日まで。

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