盛岡商工会議所青年部は現在、新型コロナウイルス感染症による影響を受ける地域経済の活性化を目指すプロジェクト「TAKE ACTION 盛岡プロジェクト」を実施している。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出自粛や休業要請が長く続いたことにより、市内ではさまざまな業種が売上・客足の減少などの影響を受けている。そこへ市民が多様な角度から「アクション」を起こし、それぞれの身の安全を守りながら地域経済の活性化を実現しようとプロジェクトを立ち上げた。
プロジェクトの第1弾、第2弾は5月8日にスタート。感染症の影響を受ける業種としてクローズアップされることが多い飲食店に関する企画から始めた。第1弾は市内飲食店のテークアウト・デリバリー情報を特設ホームページに無料で掲載する「FOOD ACTION 盛岡 テイクアウト応援プロジェクト」。5月13日時点で約50店舗が参加し、ホームページ上から利用者が好みの店舗を見つけて、電話などで注文する。
「盛岡商工会議所青年部」会長の山縣富雄さんは「多くのお店がテークアウトやデリバリーを始めているので、それを一堂に会する仕組みが必要だと感じていた。商工会が中心となることで信頼性もある情報だと思ってもらえることにもつながる」と話す。「感染症終息後に向けた動きも大切。掲載店舗の中から自分の知らないお店や行ってみたいお店を見つけてもらい、いずれ訪れてもらうきっかけにしてほしい。しばらくはテークアウトの需要も高まると思うので、後々の経済につながる大枠を整えたい」と意気込む。
第2弾の「デリタク ACTION 盛岡 宅配サービスプロジェクト」は、市内飲食店と「盛岡地区タクシー協会」の協働によるもの。特設ホームページに掲載している飲食店の持ち帰り用メニューを、配送料500円で一部地域を除く盛岡市内の家庭や企業へ宅配する。飲食店の休業により、タクシー業界も影響を受けていること、持ち帰りメニューを提供する一方で自社配達ができない飲食店も多いことから、双方が協力して売上増加につなげる活動を行う。
スタートから間もなく1週間となるが商工会議所への問い合わせも増え、「良い取り組みだから続けてほしい」という声も寄せられたという。インターネット以外での情報発信を求める声も多く、担当者は「ホームページの閲覧が難しい人にも届く方法も取り入れていく方針だ」としている。
第3弾・第4弾の企画も検討し、会員の意見を聞きながら飲食店に限らない内容も考えていくという。山縣さんは「まずは『支援したい』と思ってもらうことを目指したい。盛岡にはこういうお店があり、こういう味があるというのを知ってもらうことで、消費者と業者の相乗効果が生まれればうれしい。同じ盛岡市民として、ホームページへアクセスして、応援してもらえれば」と呼び掛ける。