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盛岡藩沿岸を測量した「藩士」に光当てる企画展 歴史の新たな一面に触れて

漆戸茂樹が携わった絵図が見どころの企画展。奥に見えるのが盛岡藩沿岸を測量したもの

漆戸茂樹が携わった絵図が見どころの企画展。奥に見えるのが盛岡藩沿岸を測量したもの

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 もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)で4月15日、企画展「漆戸茂樹(うるしどしげき)没後150年 SHIGEKI -盛岡藩沿岸を測量した男-」が開幕した。

 同館では盛岡藩主に焦点を当てて盛岡の歴史を見直す展示を行ってきた。その一環として、あまり取り上げられる機会がない「藩士」に光を当て、藩士の生涯から盛岡の歴史の新たな側面を発見しようと試み、同展を企画した。

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 漆戸茂樹は、盛岡藩主や家老たちを支え、藩政を行った実務官吏の一人。盛岡以北の奥州街道について里程や名所を詳細に知る板「北奥路程記(ほくおうろていき)」の著者として有名だが、どのような仕事をし、どのような生涯を過ごしたかはあまり知られていない。今回は67種92点の資料から、漆戸茂樹の仕事や生き方について紹介していく。

 担当学芸員の小原祐子さんは「絵図」が好きだという。同館が収蔵する絵図を紹介する展示がしたいと考えていた。その中で、盛岡藩沿岸の海岸線の測量と絵図の作製に携わっていた漆戸茂樹に出会った。調べていくうちに、偶然にも今年没後150年を迎えることを知ったという。

 「日本の歴史で、測量といえば伊能忠敬を思い出す人が多いと思う。漆戸さんも、それに劣らない正確な絵図を作っている。今の地図と比べても遜色なく、ぜひとも紹介したいと思った」と小原さん。漆戸茂樹の仕事が表舞台に出なかった理由としては、絵図の中には盛岡藩の軍事に関わる重要な事柄が書き込まれていたため、外に出せなかったのではないかと考えている。

 展示は全4章で構成し、第1章では漆戸家について紹介し、2章では漆戸茂樹が携わった仕事について紹介。江戸幕府に提出するために作成した「天保国絵図(てんぽうくにえず)」や、釜石から下北半島まで領内の海岸線を測量して描いた「陸奥国盛岡領海岸絵図面控(ひかえ)」など大きな資料が見どころになっている。

 3章は、挫折し仕事を離れていた時期の茂樹の活動について取り上げ、4章では茂樹が自分の学びをまとめた著作と、そこから見える仕事に対する考え、生き方について紹介する。茂樹が書いた書物の中から印象的な一言を週替わりで紹介するユニークなコーナー「SIGEKI的な言葉」も用意した。

 期間中はギャラリートークや関連講座・ワークショップの開催も予定しているが、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しそれぞれ実施を検討していく。

 小原さんは「歴代の盛岡藩主や家老には表舞台に立ちよく知られる人物が多い。彼らを支えた藩士たちの活躍と生涯をたどることで、盛岡の歴史の知られざる新しい側面にも触れてもらいたい。絵図の数々も見てもらえれば」と呼び掛ける。

 開館時間は9時~19時(入場受付は18時30分まで)。観覧料は一般=300円、高校生=200円、小・中学生=100円。6月30日まで。

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