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盛岡で防災にまつわるフォトボイスイベント 写真と声で伝える震災経験

「これからの災害について考えて一緒に考えませんか」とPRする森藤さん(左)・奥平さん(右)

「これからの災害について考えて一緒に考えませんか」とPRする森藤さん(左)・奥平さん(右)

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 「もりおか女性センター」(盛岡市中ノ橋通1)は11月23日から、「東日本大震災から8年 震災経験を学び、防災・減災へつなげよう-フォトボイス(写真と声)を通して-展示&トークイベント」を開催する。

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 「フォトボイス」とは、1990年代初めにアメリカで開発された手法で、社会的発言力の弱い立場の人々が自らの信条や社会の課題などを撮影し、「声」として撮影者のメッセージも作るというもの。声の発信や課題解決のための有効な手段として、海外では広く実践され、東日本大震災の女性支援にも応用されているという。

 今回のイベントは、フォトボイスの手法を用いて東日本震災で被災した女性たちの被災経験を記録・発信する活動をサポートするNPO法人「フォトボイス・プロジェクト」との共催で、盛岡では初めての開催となる。企画の背景には近年続けて発生している自然災害がある。

 担当者の森藤雅美さんは「震災から8年。これまで、そして今現在もたくさんの自然災害が起きている。幸いなことに盛岡はあまり大きな被害もなく、心のどこかで『自分は大丈夫』と思う気持ちが生まれているようにも思う。イベントを通じて、改めて今一度、自然災害と防災を自分事として考えてほしい」と話す。

 イベントは展示とトークイベントで構成。写真展では、東日本大震災で被災した女性たちが被災経験やその後の生活、地域課題などを撮影した写真と共に、「どういった思いで撮影したか」「どういう場面なのか」などの撮影者によるメッセージを添え、60点以上を展示する。

 23日に行われるトークイベントでは、プレゼンターとして宮古市からエミさん、良子さん、福島市からみゆさんの3人の撮影者を招き、撮影した写真と「声」を基に、地震の経験や防災の課題について提起する。

 同じく担当者の奥平順子さんは「被災経験は自分から話しづらいし、相手に聞きづらいテーマでもある。フォトボイスの写真を見て、撮影者のメッセージを聞いているうちに、自分はこうだったと話すきっかけになっていた。学習会などとは違って、自然な形で自分の思いやエピソードが出てくる」と話す。「メディアで取り上げられている復興とはまた違う視点での8年間が見えてくると思う」とも。

 森藤さんは「地震に限らず、自然災害はこれからも必ず起きる。発生してからでは遅い。人ごとではない。写真を見て、声を聞くことで防災や減災、備えることの大切さを考えてみて」と呼び掛ける。

 写真展は「プラザおでって」5階、もりおか女性センター交流コーナーで開催。開催時間は9時~21時30分(土曜・日曜は17時まで、最終日は15時まで)。12月2日まで。トークイベントは「プラザおでって」3階大会議室で13時~15時に開く。参加無料だが、事前申し込みが必要。定員は30人。申し込みは専用フォームと電話(TEL 019-604-3303)で受け付ける。

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