岩手県は9月20日、「ジョジョの奇妙な冒険」などの作者として知られる漫画家の荒木飛呂彦さんが制作した、「希望郷いわて国体・いわて大会」記念イラスト「いわて人間賛歌」を発表した。
発表されたイラストには若い女性が希望あふれる未来に向かって力強く疾走する姿が描かれている。背景には岩手山や南部鉄器、宮沢賢治の姿など岩手を象徴するものがゲートのように並び、そこから女性が飛びだすような構図となっている。イラストのテーマは「人間賛歌」。東日本大震災や台風10号の被害からの復興と、年齢や性別、心身の障がいの有無に関わらず、個性や尊厳を認め合う「人間を大事にする社会」を目指す姿を表現した。イラストを通じて国体・大会の盛り上げ、終了後も長期的に続くふるさとの復興と地域振興をアピールする。
イラストを手掛けた荒木さんは宮城県仙台市出身。以前にも「平泉の文化遺産」が世界遺産登録したことを機に岩手県が発表した「東北復興平泉宣言」のイメージイラストを手掛け、大きな話題となった。今回は東北の被災地出身ということもあり県が制作を依頼。発表後に「このイラストはどこでもらえるのか」という問い合わせがあったが、今後個人へ配布する予定はない。
国体・大会期間中は開閉会式の会場や県内各所のパブリックビューイング会場にイラストを使った大型メッセージボードと大型ポスターを設置。盛岡市内では盛岡駅前滝の広場に10月22日から24日まで設置される。国体・大会終了後もポスターなどとしてさまざまな場面で活用していく。
岩手県若者女性協働推進室NPO・文化国際課長の吉田真二さんは「国体・大会を記念したイラストではあるが、終了後も岩手を盛り上げるシンボルとしての活用を予定している。会場に飾るボードやポスターは見応えがあるので、写真に撮って広めてもらえたらうれしい」と呼び掛ける。「岩手を盛り上げる主人公は県民の皆さん。イラストに登場する女性と一緒に走りだして、地域づくりにどんどん参加してほしい」とも。