岩手県庁、岩手工業技術センター、岩手県産は10月18日、岩手工業技術センターで沿岸企業を対象とした商品開発相談会と岩手県工業技術センター主催のセミナーを共同で開催した。沿岸企業や震災後に拠点を盛岡へ移した企業を中心に、市内の企業など50人が参加した。
沿岸企業のほか、盛岡市内企業も参加。食品表示や衛生面でのセミナーが行われた
東日本大震災以後、一時的に商品の売れ行きが上がったものの、岩手県全体の商品売れ行きは停滞した。今回の相談会は販路の再構築や県外の商品に対抗できる商品力を付けることが狙い。
岩手県商工労働観光部産業経済交流課の安彦奈津美さんは「商品の開発からパッケージデザイン、商談まで。総合的な相談ができる機会は珍しい。企業の復興レベルに合わせて相談するブースを選べる」と話す。
セミナーでは食品衛生や表示に関する講義のほか、デザイナーが講師としてブランド力を高めるデザインについてパネルディスカッションを行った。個別相談会では高速道路のサービスエリア内の店舗を運営するネクセリア東日本がアドバイザーとして参加。相談する企業に対し衛生面や賞味期限など、同店舗で販売する場合の要点などを助言した。同社東北支店の竹口憲二さんは「地元の商品の特徴を前面に出すことが重要。サービスエリアでは珍味が人気。今までの加工のほかに加えてみてはどうか。アイデア次第で売り上げは全く変わる」と、参加者に扱う側の視点を指導した。
個別相談でパッケージデザインについて相談した大槌町の六串商店は以前から相談会に参加。冷凍販売商品の梱包(こんぽう)デザインで商品力向上を狙う。海のイメージを盛り込む予定だ。
今回の相談会で開発を行った商品は今後、いわて銀座プラザでテスト販売する予定。