岩手大学大学院美術科の学生による「修了制作展2010」が3月5日から、岩手県公会堂(盛岡市内丸、TEL 019-623-4681)で開催されている。主催は岩手大学。
同展は、今年で同大学を修了する美術学生5人が大学院の2年間で学んだ集大成を発表するもの。出品するのは彫刻の王岩さん、絵画の太田代紗希さん、版画の黒澤笑子さん、インダストリアルデザインの鈴木啓さん、映像メディアの畠山貴憲さんの5人。
王さんは中国古代の造形を塔に表現した石彫と木彫を発表。周囲の身近な人の何気ない表情に焦点を当てた太田代さんの絵画は「瞬間」がテーマ。光と音の共鳴をモチーフに風景など5点の銅版画を発表した黒澤さんは、写真と転写技法を使った魚が床に泳ぐような作品も手かげた。鈴木さんは工業デザインにおける意匠と機能が商品開発の過程にもたらす影響をツリーチャートに整理した記録の研究成果として紹介。畠山さんは「萌え」をテーマに同じキャラクターでも色彩によって表情や見え方に違いが出ることをイラスト作品で表現した。
代表の黒澤さんは「美術専門のギャラリーではなく、あえて一般の人にも立ち寄りやすい公会堂を会場にしてみた。美術というとどうしても対象が関係者に限られがちだが、フラリと生活の一部として美術に触れてもらえれば」と話す。
開館時間は10時~20時。観覧無料。今月11日まで。