岩手県で獲れた魚介類の消費を促す新たな地産地消の取り組み「魚ECO(ぎょえこ)」が始まった。
この取り組みでは、フードマイレージを「テレビを見た時間(テレビ閲覧時間)」に換算した指標=「魚ECO」を使いながら、環境問題についてわかりやすく解説する。1魚ECOは、32型液晶テレビを1時間見た時のCO2排出量に換算した。これによると同じサケでも、チリ産は2,690魚ECOであるのに対して、北海道産は73魚ECO、岩手県釜石産ではほぼ0魚ECOとなる。
これを考案した岩手県釜石地方振興局水産部の鈴木寛人さんは「一般にはなかなかわかりにくいフードマイレージを、誰もが日常的にする『テレビを見る』行動に置き換えてみた。いわゆる『エコの見える化』を目指したもの」と解説する。
これと連動する形で、釜石市内の飲食店「浜結」では、魚ECO値をケータイサイトを通じて毎日配信。メニューに使用する魚の「魚ECO値」を産地とともに公開することで、地産地消への理解を深める狙いだ。
鈴木さんは「消費者に直結している飲食店を活用することで、より一層、地産地消の推進につながると考えた」と話す。