盛岡市の中津川河川敷で6月19日、「木炭まつり すみっこ広場」が行われた。主催は岩手県木炭協会盛岡支部。
日本一の生産量を誇る岩手県産の木炭を消費者にアピールする目的で開催された同イベント。会場では、イワナやホタテなどの木炭を使った炭火焼き料理や木炭を染料に使用した衣類などが販売されたほか、盛岡神子田朝市から食品の販売も行われた。
開会セレモニーでは岩手県の達増拓也知事や盛岡市の谷藤裕明市長が、それぞれ祝辞とともに岩手県産の木炭をピーアール。その後、炭火焼き料理などに舌鼓を打った。
岩手県産の木炭は、ナラ材を使った「黒炭」が特徴。産地は久慈市、軽米町、九戸村、洋野町の「岩手県北九戸高原地域」が主で、生産量は大正時代から全国一を維持してきた。現在の国内シェアは25%を誇る。
一時はLPガスや化石燃料の普及に伴い昭和50年代に消費が激減したが、その後アウトドアブームを背景に持ち直し、現在では大手アウトドアメーカーが岩手県産のみを扱うなどしたことから、生産量も年4,800トン前後で安定しているという。
同協会の八柳芳昭専務理事は「一時は東南アジアから輸入されたマングローブの炭に市場を奪われたが、今は着火が早くて、しかも長持ちする岩手県産の黒炭が見直されてきている。特に家族で楽しく夏のバーベキューにはもってこい」とアピール。「脱臭効果もあるうえに、炭の木目は造形的にも美しいので、部屋のインテリアにも使ってほしい」と話す。