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盛岡のデザイン事務所が5回目の展覧会 アートディレクターに焦点当てる

牧野さんが手がけたクライアントワークの数々とラフが並ぶ一角

牧野さんが手がけたクライアントワークの数々とラフが並ぶ一角

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 盛岡市を拠点に活動するデザイン事務所「homesickdesign」による展覧会「かたちどる homesickdesign展2025」が現在、「Cyg art gallery」(菜園1)で開催されている。

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 同社では手がけた仕事や所属する社員の作品、デザインの面白さや考え方を知ってもらおうと、2021年から毎年展覧会を開いている。2023年からは1人の社員に焦点を当て、それぞれが担当した仕事やデザインを生み出すまでの過程、自主制作品などの展示を通して、個人の魅力や技術を紹介している。

 今年はアートディレクター・デザイナーの牧野沙紀さんを取り上げる。牧野さんは印刷会社での勤務を経て、2020年に同社に入社。ロゴデザインやパッケージデザイン、ブランディングなどの仕事に携わっている。牧野さんは「取り上げてもらえるのはありがたい。自分を客観視する機会にもなり、展示の準備をしながら自分の強みや、足りないところ、もっと追求したいところが見えてきた」と話す。

 展覧会のタイトル「かたちどる」は、牧野さんの得意分野でもある「モチーフとなる物事の形を捉えること」や、展示する作品などを通じて牧野さん自身の考え方や魅力を形にすることを表しているという。展示では牧野さんが担当したクライアントワークと共に、仕事を完成させるまでの思考や過程を「かたちどる」試みとして、過去の仕事で描いたラフやメモの一部を壁面いっぱいに貼り出している。

 展覧会に合わせて新たに自主制作を行い、馬をモチーフにした作品と、机の上の小物などを収納するアイテム「HACO」を展示している。「HACO」はデザインを通じて課題解決に取り組む会社の一員として思い付いたもので、散らかりがちな机の上を片付けるための小箱。箱には片付ける時の場面や感情を連想させるモチーフがデザインされている。

 「来場した人から『立体のポートフォリオだね』と言われて、その通りだなと思った」と牧野さん。「物の形や文字の形、気持ちの形など、何かの形を捉えて、力強く表現できるのが私の強みだと改めて感じた。これからも幅広い興味を持って挑戦すること、現場に行って、体験して、そして作ることを大切に続けていきたい」と話す。

 営業時間は11時~17時。水曜・木曜定休。入場無料。11月24日まで。

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