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岩手県キッチンカー協会と盛岡市が協定締結 災害時の食事環境をより良く

4月28日に行われた協定締結式の様子

4月28日に行われた協定締結式の様子

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 岩手県キッチン協会と盛岡市が4月28日、災害時におけるキッチンカーによる炊き出し等の実施に関する協定を締結した。

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 同協会は2023年8月に発足。岩手を中心に北東北3県合わせて40台が加盟し、キッチンカーを通して「食文化」の創造や向上を目指すことなどを目的に、イベントへのキッチンカー派遣や独自イベントの企画、起業支援などに取り組んでいる。

 事業目的の中には災害サポート事業による地域貢献を掲げている。会長の小野裕輝さんは「東日本大震災を経験した身として、キッチンカーで地域の皆さんの役に立ちたいと常日頃考えているが、いざ災害が発生した時にどう動けばいいのかと足踏みをしてしまった経験もある。協定を通じて、市と協力して活動ができれば」と話す。

 協定では、盛岡市内で発生が災害した時に、同協会が市の要請を受けて避難所などにキッチンカーを派遣。炊き出しを行い、被災者への迅速な食事の提供、避難所でのより良い食事環境の提供、避難所での食事の質の向上などにつなげる。

 内館茂市長は「昨年の大雨のように、近年、さまざまな自然災害が頻発化、激甚化し、災害への備えは急務である。避難所でのキッチンカーを利用した炊き出しは、避難者の食事の確保と充実が図られ、市の災害対応力の向上、市民の安心安全につながる。この協定締結は力強く、とてもうれしい」と期待を寄せた。

 「エンジンとタイヤが付いていて、すぐに駆け付けられるのがキッチンカーの強み」と小野さん。「炊き出しを通じて、避難所にいる皆さんに寄り添い、気持ちの安らぎを提供することが私たちのミッションだと考えている。不安から安心へ少しでも気持ちが転換できるように心がける」と話す。

 同協会が県内自治体と協定を締結するのは今回が初めて。今後は県内の他の自治体に広げていく考え。

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