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「ベアレン つなぐビール」発売 岩大クラフトビール部と共同プロジェクト

缶を並べるとクマと人が手をつないでいるようなパッケージが目印

缶を並べるとクマと人が手をつないでいるようなパッケージが目印

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 ベアレン醸造所(盛岡市北山1)が4月9日、岩手大学の学生らと共同で開発した岩手県産原料100%ビール「べアレン つなぐビール」を発売した。

笑顔でビールの発売を祝う関係者の皆さん

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 同社は2022年12月に、岩手大学クラフトビール部と共同で、クラフトビールの地産地消による農業と地域経済の活性化を目指すプロジェクト「つなぐビールプロジェクト」を発足。ビールの原料を県内で栽培することで、遊休農地の活用などの農業課題を解決し、地域貢献につなげることを目標に、原料となる大麦の栽培と県産原料を使ったビールの醸造に取り組んできた。

 2023年1月と2024年3月には紫波町産・陸前高田市産の麦芽と遠野市産・軽米町産のホップを使った試作品をテスト販売。今回は紫波町産の大麦と遠野市産のホップを使った「つなぐビール」として本格販売する。

 同商品に使う大麦は東北農業研究センターが開発した「小春二条」。ビールの原料となる二条大麦は寒さや雪、湿気に弱く、東北での栽培は難しいが、小春二条は寒さや雪に対する耐性があり、岩手でも安定して栽培できるという。9日に行われた記者発表には、同センターの関係者や大麦を栽培する高橋農園(紫波町)の代表・高橋淳さんも訪れ、ビールの発売を祝った。

 完成したビールは、軽やかですっきりとした味わいでありながら、しっかりと飲み応えも感じられる仕上がりだという。パッケージは盛岡市を拠点とするクリエーティブ事務所が手がけ、クマと人のイラストの裏表がない「両A面」パッケージで、缶を並べると互いに手をつないでいるように見える。上部には畑や山の風景から飲む人までを一筆書き風に描き、生産者から消費者まで「つながる」ことを表している。

 ビールの発売について、ベアレン醸造所社長の嶌田洋一さんと岩手大学クラフトビール部共同代表の佐藤稜さんは互いに「ようやくスタートラインに立った」と話す。

 嶌田さんは「佐藤さんが相談に来たのがちょうど4年前の今ごろ。その時に感じた『これは面白いことになるぞ』とわくわくした直感が、ここまでの支えになってきた。県産原料を100%使うことで、岩手の恵みを感じてもらえるビールになっていると思う。原料を育てる人、ビールを造る人、研究者、デザイナー、販売者とつながり、消費者に届いて輪が完成する。私たちがつないできた輪の中に加わって」と話す。

 佐藤さんは「つなぐビールは飲んでおいしいというだけではなく、地域経済や農業の発展につながる。ビール好きな皆さんや、地域のために何かしたいという人にも手に取ってもらいたい」と呼びかける。

  価格は350ミリリットル入り=450円。ベアレン醸造所の北山工場直売店やウェブショップ、スーパー、百貨店、酒販店、アンテナショップなどで取り扱う。

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