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矢巾町で指定ごみ袋・レジ袋共用袋導入へ 原料に県産のコメ由来プラスチック

共用袋を手にするバイオマスレジン北日本の田代会長(左)と高橋矢巾町長(右)

共用袋を手にするバイオマスレジン北日本の田代会長(左)と高橋矢巾町長(右)

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 矢巾町と「バイオマスレジン北日本」(矢巾町)は9月25日、コメ由来のバイオマスプラスチック「ライスレジン」を原料とした「町指定ごみ袋として使用できるレジ袋」を町内協力店舗で導入することを発表した。

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 同町はごみの減量化に取り組み、民間企業や福祉事業所と連携して資源ごみの拠点回収、古着やパソコンの回収などに取り組んでいる。2022年には2050年までに脱炭素社会の実現を目指すことを掲げ、「ゼロカーボンシティ」を宣言。さらなる取り組みをと検討する中、同町では指定のごみ袋を導入していることから、「スーパーなどで購入するレジ袋を町指定のごみ袋として使うことで、廃棄するレジ袋の量を減らせないか」と職員が思い付いたという。

 実現に向けて協力先を探す中、「バイオマスレジン北日本」の親会社で町内に本社を構える「北日本製袋」から「ライスレジン」を使った製品の提案を受け、ライスレジンを活用した指定ごみ袋とレジ袋の共用袋について1年半ほどかけて検討と準備を進めてきた。

 ライスレジンは食用に適さない古米や破砕米、廃棄されてしまうコメ、休耕田を活用して生産した資源米などを原料にしたバイオマスプラスチック。共用袋には岩手県産のコメ10%と石油系原料90%を使い、既存のレジ袋より石油系プラスチック量が少ない。ライスレジンは福島、袋は青森の工場で製造することから、輸送時の二酸化炭素削減にもつながる。

 25日に行われた発表式で高橋昌造町長は「矢巾町ではさまざまな環境問題について取り組んでいる。小さな積み重ねが大切で、共用袋の導入もまずは一歩目と考えている。町民の皆さんに良いと言ってもらえるように、サイズや使いやすさの面で検討を重ねたい」と話した。

 バイオマスレジン北日本の田代幸司会長は「子どもたちに豊かな自然を残すために、本気で二酸化炭素の削減に取り組むのが私たちの責任。ライスレジンはコメを通じて環境や農業の問題を解決できる材料になると思う」と話した。

 サイズは町指定ごみ袋の「ミニ」と同等の15リットルのみ。町内のショッピングモールアルコとスーパーアークス矢巾店で10月中旬から導入予定。価格はオープンで、13~15円程度を想定している。

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