盛岡市公式イラスト素材集「盛岡絵図鑑」の配布が6月12日、始まった。
市は、地域に根付く文化や日常的な暮らしの魅力を市内外に広めるツールとして、市の名所や名産、日常の風景などをイラスト化し、シティープロモーション用の素材を作成。盛岡のイメージアップに寄与する目的であれば使用規約の範囲で誰でも無償利用可能としている。
イラスト素材を収録した冊子「盛岡絵図鑑」も作成。事業者向けに配布したところ、一般市民や観光客からも「冊子が欲しい」「販売してはどうか」といった声が集まり、ゴールデンウイークの時期に配布会を予定していたが、会場の都合によって中止となっていた。その後も県内外から冊子の配布について問い合わせが続いていたという。
市都市戦略室の担当者・清水友博さんは「中止となった配布会は事前申込制にしていたが、受け付け開始からすぐに定員に達した。そもそもは写真や映像のプロモーション素材より自由度が高く、長期間使うことができるイラスト素材を作ろうという事業から始まり、イラストがすてきだったので冊子にまとめようという形になったので、この反響は想像以上だ」と驚く。
「盛岡絵図鑑」は岩手県内のデザイナー・クリエーターが参加する団体「岩手アートディレクターズクラブ(岩手ADC)」が主催する岩手ADC「Competition & Award2023」のブック・エディトリアル部門で「ADC賞」を受賞。受賞記念として一般向けの配布を再び企画した。
前回は会場に来場できる人を対象にしていたが、県外在住者から「受け取りに行くのが難しい」という声が多かったことから、今回はアンケート回答者から抽選で100人に郵送する配布方法にした。反響によっては、配布の継続や冊子の販売も含めて検討を進めるという。
清水さんは「行政が作ったものが、デザイナーから評価を受けたということが心からうれしい。盛岡がクリエーションを活用した情報発信に取り組んでいることはもちろんだが、イラスト素材の作成に協力してくれたような実力を持ったクリエーターたちがいることを多くの人に知ってもらいたい。これからさまざまな場面で素材を活用してもらいたい」と話す。
アンケート回答は6月30日まで。